極上の短編が読める
6月に単行本が発売されるらしく、今のところ4本の読み切りが公開されていて、最終的に何本公開されるのかわからないけどこんなにいい短編を無料で読んで良いのか!?と戸惑ってしまうほど全部いいです。現状、4本の中でいちばん好きなのはティラミスのパフェ。他の話とは違ってわかりやすく嫌な感じの人が出てくるんだけど、最後はどのマンガよりも前向きな気持になれました。もちろん単行本が出たら買って読みます。
母なる瞬間。それは静かな祈りのようで―― 喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた表題作「mothers」。突然開けた新しい世界を前に揺れ動く少年とその姉を描いた「蝶になる日」。 親子、家族、人間関係の複雑さを優しさあふれる視点で真正面からとらえた珠玉の12編。 秘めた気持ちがあふれ出す、新鋭・草原うみの初短編集。
アメリカの新しい漫画賞にノミネートされたと聞いて気になって読んでみました!
表題作の「mothers」は交通事故で植物状態になってしまったカップルのそれぞれの母親達の話です。こういうシュチュエーションだと目覚めないことの悲しさを描いたものが多いんですがそうではなく、子供の不在によって母親の内面がクローズアップされるような物語になっています。絵柄はシンプルで温かみのあるタッチなんですが、ストーリーはそういった複雑なものが多いです。なので読んでいて自分の中で蓋をして見ないようにしていた感情が開くような感覚にもなりました。こういう作家さんと出会うことはなかなかないので新鮮です。