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漂流教室〔文庫版〕 楳図かずお
楳図かずおが描く恐怖は常に霊や悪魔などの、形而上学的なものではなく、科学的もしくは主観的なものである。つまり超自然的な存在の否定なのだ。愚かな人間達の科学実験により生み出された化け物、もしくは人間の強い精神が生み出したものが常に恐怖の対象となる。
唯心論的な怖いと思うから怖い。怖いと意識した人間は見た目もバケモノみたいに怖くなっていく。怖いと思った人間が世界そのものが怖くなってしまう。すごく主観的な恐怖なのだ。この作品以降に日本の漫画のみならず、海外ドラマなどでもサバイバルホラーが増えていった。この作品とあまりに似ている映画化もされたホラー小説の帝王スティーブンキングのミストが書かれたのは80年代だった筈なので、この作品がいかに先駆的だったかよく分かる