無敵のギャルでもちゃんと傷つくしちゃんと反省する
友情・愛情、どっちがどうというでもなく、世界がそこしかないあの頃はすべての大きさが大きかった。 私は本作を読んでいて、大人になったら全部が広がってしまって自分の持っていた感情やら価値やらがぜーんぶ小さくなってしまっているタイプだなぁと思った。 それは「全てにおいて希薄になった」と自分自身に言われたような気持ちになって少し寂しいなと思いつつ、全部が同じ比率で大きくなったらツラいのかと初めて考える瞬間だった。 ナカタニエイトさんのクチコミですごく惹かれて読んでみて、読みながらずっと胸が破裂しそうな気持ちになりながらもギャルに癒やされて目頭を熱くしながら読了しました。 本当にとてもよかった。
<ログライン>
図書委員になった本好き女子とギャルが「友達」になる物語。
<ここがオススメ!>
カッパのアイコンでお馴染みの相澤いくえ先生本人のようなカッパが出てるけど、エッセイではない物語。
「本」と「友達」の意味の両方に気付かせてくれる優しいお話。
あとがきを読むと、先生の伝えたかったことがよりわかるような。
図書委員の話なので、小説の話題もチラホラと出てくるけれど、特に『イン・ザ・プール』(奥田英朗著)を読みたくなる。
『イン・ザ・プール』は意外と救いでもある。
なお、相澤いくえ先生の『モディリアーニにお願い』は僕の中で人生ベスト10に入る漫画です。
<この作品が好きなら……>
・スキップとローファー
・言葉の獣
・違国日記