小説家はとうの昔に諦めてしまったけれど、何者かになりたい気持ちを捨てきれずに集まり続ける3人の女の子。
平和で楽しそうな3人の文芸サークル「キャロット通信」が何をきっかけに崩壊したのかを描く作品。

可愛らしくあたたかみのある絵柄、女の子たちのほのぼのした会話、そこからの残酷で現実的な展開がおもしろいのはもちろんだけど、主人公・川上の人物描写が素晴らしかった。
工場で長年働きながらも工場の人たちをナチュラルに下に見てる感じが節々に現れていてゾクゾクした。ちょっとしたリアルさがいい。
この描写があるから後半の展開がさらに残酷に見えていいんだよな……と感心してしまった。

夢を諦めないのはいいこととされがちだけど、諦めきれないのは悲劇でもあるんだなあと改めて実感させられる作品。
救いと見るか呪いと見るかは読む人次第なのかも。

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そうさくぶんげいさーくるきゃろっとつうしんのほうかい
創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊
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