特異点に集った7人の久々原亜久里(くぐはらあぐり)たち
※ネタバレを含むクチコミです。
逃げ癖がある少女・亜久里(あぐり)は20件目のバイトを無断欠勤した。亜久里はそんな自分を変えたくて、いつも右足から履く靴を左足から履いてみることにする。すると異空間に転送され、そこには7人の「私」が待ち受けていた……。アルバイト生活の「私」、そしてラッパー、占い師、幽霊、マッチングアプリ中毒、配信者という立場の「私」たちは全員もといた各々の世界に戻ることを願う。しかし、異空間にいた《観測者》を名乗る少女は、アルバイト生活の「亜久里」の自己同一性の揺らぎにより、異空間が作られたと解説した。
逃げグセのせいでバイトが長く続かず、ちょうど20件目のバイトを無断欠勤してしまったばかりの「久々原亜久里」(くぐはらあぐり)は、
そんな自分を変えようと、試しに普段と違う方の足から靴を履こうとした次の瞬間、目の前の世界が崩れ始め、気づいたら謎の異空間に飛ばされていました。
そこで彼女が出会ったのは、“時空探偵”を名乗る少女、そして、それぞれ別の時空から同じく飛ばされてきたという6人の“久々原亜久里”でした。
同じ“久々原亜久里”だけど自分とは明らかに違う存在である彼女たちは、何者にもなれずにいた「久々原亜久里」にとってはそれぞれが“自分がなり得た可能性”たちでした。
そんな“久々原亜久里”たちと元の世界へ戻る術を探す「久々原亜久里」を描く作品です。
“久々原亜久里”たちとの接触で「久々原亜久里」の自己同一性が揺らぐと世界が崩れ始めるというSF的な描写も織り交ぜつつ、絵の情報量も格別に多く、1ページ毎の密度の濃さで圧倒しつつそれでも全力でエンタメをしている、1度読めば忘れられないインパクトを残してくれる作品です!
1巻まで読了