
本なら売るほど
古本屋ビジネス(あえてビジネスという言葉を使うが)や、フィジカルな本が好きな人には絶対に刺さる漫画。作者の本好きも伝わってくる。なのだけど、ひとつひとつのエピソード自体が人間ドラマとして完成されており"本"がモチーフでなくともお話を書けちゃうんだろうなと思う。 事実として、過去にメチャクチャ気合いの入った幽白のオリキャラ二次創作でバズってた作者だった。
「バスに乗るとなぜ落ち着くんだろう?」 バスが安眠場所の少年は、いつものようにうたた寝をする。ただ、今日の眠りはいつもと違っていて……。(ハルタ111号)
大人が思っている以上に、子どもはちゃんと知ってるし考えてるんですね。出くんがタイムスリップして若かりし両親に出会うところ、ドラマチックかと思いきや実際はとても悲しい気持ちになるもので、それでもいい思い出をなかったことにしたくなくて自分の気持ちを母親に伝えるシーンはグッときます。それで夫婦の関係がもとに戻ったりはしないだろうけど、彼の親であることは一生変わらないんだから出くんの気持ちを尊重してあげるのも大事だなと思いました。