大正時代の日本にたった1人やってきた小さな魔女の物語 #1巻応援
主人公の少女・世迷(よまい)は大正時代に西洋から日本にやってきた初めての魔女でした。 彼女の目的は異なる土地の材料でも魔術が再現できるか研究すること。 しかし、日本人には魔女という存在に対する馴染みがなく、不思議な魔術を操る世迷は偏見の目に晒されることとなってしまいます。 そんな彼女が出会ったのが、魔術に興味があるという女学生・雅鳳鱗(がほう りん)でした。 ずっと白い目で見られ続けていた世迷を初めて受け入れてくれた鱗。 彼女との出会いで勇気づけられた世迷は、日本人の魔術に対する誤解を解き、人々の役に立つ魔女になると決心します。 この作品は、無知ゆえに生まれた魔女への偏見を変えるために立ち向かう、そんな世迷の姿が心を揺さぶる大正浪漫ファンタジーです! 1巻まで読了
なんでこの子が日本へ派遣されてきたんだろう。
実は芯が強い子なのか、研究熱は他の魔女のひけをとらないのか。
不思議に思うほど、心根が優しい女の子の魔女が主人公。
とはいえ、違う環境で魔術もうまくいかないようで(それでも研究は楽しそう)、辺境の国における初めてやってきた魔女に対する偏見は強く。
さらに、仕送りのお金は研究に使い込んでしまうため、毎日金欠で。
ああ、本当にこの子で大丈夫だろうか、と書いていて心配になってくる。
とても運が良いことに、偏見に抗う女学生と仲良く話をするようになり、少しずつ周囲は変わっていく。
読んでいて、神様の視点というか、お母さんのような立ち位置というか眼差しというか、そんなかんじで魔女の夜迷ちゃんを見てしまう。
絵本のような画風、ほのぼのした雰囲気のなかで、偏見のなかに生きる魔女の辛さと、いつか良くなるという希望が空気のように広がっている。