あらすじ「わっ私たち 友達でいいですか…っ!」大正時代の日本にやってきた嫌われ者の魔女 夜迷は周囲と少しずつ打ち解けていき百貨店、活動写真館、夏祭りと日本で過ごす日々を満喫する。そんな中、夜迷の秘密を知る魔女 メロリが日本にやってくる。描き下ろしおまけ漫画『夜迷の一日』も収録!大正時代ガールミーツガール!!
なんでこの子が日本へ派遣されてきたんだろう。 実は芯が強い子なのか、研究熱は他の魔女のひけをとらないのか。 不思議に思うほど、心根が優しい女の子の魔女が主人公。 とはいえ、違う環境で魔術もうまくいかないようで(それでも研究は楽しそう)、辺境の国における初めてやってきた魔女に対する偏見は強く。 さらに、仕送りのお金は研究に使い込んでしまうため、毎日金欠で。 ああ、本当にこの子で大丈夫だろうか、と書いていて心配になってくる。 とても運が良いことに、偏見に抗う女学生と仲良く話をするようになり、少しずつ周囲は変わっていく。 読んでいて、神様の視点というか、お母さんのような立ち位置というか眼差しというか、そんなかんじで魔女の夜迷ちゃんを見てしまう。 絵本のような画風、ほのぼのした雰囲気のなかで、偏見のなかに生きる魔女の辛さと、いつか良くなるという希望が空気のように広がっている。