電車内をコロコロ転がる空のペットボトル。 みんな仕事や家庭でイライラモヤモヤを抱えて、それを誰かにぶつけずにはいられない日もある。人として正しくはないけど、理不尽に八つ当たりしたり約束を反故にしたり弱いものイジメをしたり。 そんな人々のもとを渡り歩いたペットボトルの行く先は……。
みんないろいろ抱えてるんだなとは思うものの、人の背景まで想像しながら優しくするなんて難しい。自分も人間だし。 せめてゴミはすぐ捨てようと思いました。
クソみたいな環境で少しも楽しいことがないまま生きてる子が最終的になんとか前を向ける程度の救いしかない話が最近多い気がする、宇宙人でもポテトでもなんでもいいから思いっきり救ってはくれないものか なんて思わず文句を言いたくなったけど、最後の最後に見える希望にちゃんと救われてしまうんですよね。 悪人が地獄に落ちるとか王子様が現れるとか莫大な遺産を相続するとかど派手なイベントだけが救いじゃないんですよね。 人は自分自身を救えるし、何気ない言葉で前を向ける。現実的で誠実な救いを描いた優しい作品だと思います。 しんどいお話ではあるけれど、素朴な絵柄とあみかちゃんのキャラクターがとても可愛らしいです。
絶対に全人類読め!!!!!年齢性別問わず読んだほうがいいです。恋愛とかなんとかではなく人間としてどうあるべきかというお話なので。 主人公のはるかは気弱な女の子。いじめから助けてくれた男の子と付き合うことになり、毎日幸せ……のはずなのになんかおかしい。 恥ずかしがり屋な自分に合わせてくれてるのかな、ちょっと強引だけど守ってくれてるのかな、みたいなところからじわじわと、でも一気におかしなことになっていく。 デートDVという言葉、もはや知らない人はいないだろう。でも、私されてます!とか自分やってます!と名乗り出る人はなかなかいない。 最初はそんなつもりなかったのかもしれない、自分でも気づかないうちにやっているのかもしれない。だからこそ、相手をよく見て話し合って関係を深めていかなければならない。 恋人でも友人でも親子でも他人でも一緒。当たり前のこと。 当たり前のことだけどできなくなっちゃったりするからご親切に学校で教えてくれてんだろ!人を人とも思ってないやつと授業真面目に聞いてないやつはカスですね。
今日ちょうどタイムラインに流れてきたので読んだ。意外性もなにもない、予想通りの結末。でもこんな経験してる人多いんじゃないだろうか。 主人公は20代の女の子。幼い頃の初恋の相手をずっと想い続けている。 想い続けると言えばいいように聞こえるが、実際やってることはネットストーカー。フォローしたりDM送ったりするわけでもなくSNSをずっと監視している。 卒アルを眺めたり手紙を読んだりよかったあの頃に想いを馳せるのではなくて、今を知れてしまうのも残酷だなあと思う。 思い出になってくれなくて、身近に感じてしまって、自分の今が更新されなくなってしまう。 便利すぎて余白を塗りつぶしちゃうみたいな感じなのかなあ。 とは言え、前を向ける作品になっているのがよかった。
その土地の魅力を発信する漫画が好きです。 ご当地の美味しい食べ物や観光スポットを教えてくれるのもいいけど、あるあるとか自虐とか豆知識を教えてくれる作品が好き!方言喋る女の子がいたらもっと好き! 八十亀ちゃんかんさつにっきはまさに名古屋あるあると方言の可愛さを詰め込んだ漫画で素晴らしいです。 語尾がにゃんの女の子はあざとすぎるしあり得ないけど名古屋弁なら合法的ににゃあにゃあ言わせられるんですね……八十亀ちゃんの猫っぽい見た目、奔放な性格が相まって名古屋弁がめちゃくちゃかわいい……!! 陣くんがやれやれ系じゃなくて八十亀ちゃんを全力で愛でてくれるのも素晴らしい。読者も同じ熱量で八十亀ちゃん可愛いね〜って思えるので。 名古屋の魅力というより八十亀ちゃんに魅了されてしまうんですが、読むとスガキヤが食べたくなるので観光ガイド的意味合いもちゃんと果たしていると思います!
※ネタバレを含むクチコミです。
これはどういう気持ちで読んだらいいんだ。 あゎ菜ちゃんはかわいくてかわいそうで、一緒にいたら気にかけちゃうけどイライラもしてしまいそう。あゎ菜ちゃんを見ていると自分の汚い感情がよく見えてくる気がする。でもあゎ菜ちゃんはかわいい。 かわいそうと思ってしまうけれど、それもこちら側のエゴである。あゎ菜ちゃんはできないことも多いけれど、自分を幸せにする方法を知っている。側から見てそれが「自分を幸せにする方法」には見えないけれど、本人が幸せなら幸せなのだ。あゎ菜ちゃんの方法では幸せになれない自分のほうがよっぽどかわいそうかもしれない。 あゎ菜ちゃんと話してみたい。自分にだけ心を開いてくれたりしないだろうか、と愚かな期待をしながら話しかけてみたい。
神様と天使と悪魔見てたら、サチが大きくなるまでは人類滅亡しないんじゃない?となんだか気が大きくなってきた。 クソガキに大人(というか天使と悪魔)が振り回される図は最高だし、不都合な展開は神様パワーで捻じ曲げられるからどこまでも気持ちいい。 基本的にはテンポよくひたすら笑って読めるけど、人間って悪いもんじゃないよなあ……ってあたたかい気持ちにさせてくれる瞬間もある。 毎回毎回あたたかかったら押しつけがましいけど、たまにだからいい。たまにいいことあるから人生って楽しいし、たまにいいやつがいるから人間っていいんだよ!って神様に教えてあげたくなる。 自分が生きてる間くらいは人類存続してほしいから、サチにはたまーにいいことするクソガキでいてもらいたい。たまにでいいよ。
健全なままで終わるからいいんですよね。というか、最初から最後まで健全な漫画なのでそんな展開になるわけはないんですが。 新種のうさぎを探していたら、バニーガールかうさぎか悩ましい生き物に出会った。それだけのお話です。でも、うさぎだと思って捕まえたり触ったりしてバニーガールだったら大変だし、バニーガールだと思って話しかけてうさぎだったら大変だし、そういうことです。 どっちかわかんないラインのそれはコミカルで可愛らしくもあるけどなんかよからぬことを考えちゃう感じもあり……そのラインをちゃんと面白くてポップの範疇におさめているのがさすがだなあと思います。 バニーガールかうさぎか、ただそれだけの健全な作品です。
絵が上手くて引き込まれる! さらっと綺麗なんだけど重厚感と湿度があって、日本の怪異と相性がとてもいい! 学級崩壊したクラスの担任になった呑野まりえ先生。言うことをきかない生徒の指導に奮闘する中で、奇妙な現象に遭遇し……というお話。 ホラー要素も教育的要素も中途半端にならずに展開していくし、細かい違和感も全部回収されていて面白いし気持ちいい作品。 呑野先生のこともクラスのクソガキたちのことももっと知りたい、連載になってほしい! 小学校とホラーってどうしてこんなに相性がいいんでしょう。子どもの無邪気さ残酷さやノスタルジーがそうさせるんでしょうか。
女の子の体を性的な目で見るのはまあいいとしても値踏みするような発言をしちゃうのはよくないですねこのクソガキと思っていたら、男の子もエロい目で見られいましためでたしめでたし。というお話。 池沢くんも江口さんもちゃんとエロく描かれているし、池沢くんのほうが顔を赤らめて純情な反応をするのがとてもよい。解釈一致。 純愛かどうかはわかんないけど、仲良いのにエロい目で見る以外のアクションを起こさないのが初々しくもあり現代的でもある気がする。 なんかこの2人は発展しないでほしいし、同窓会で綺麗になった彼氏持ちの江口さんを見て落ち込む池沢くんを見たい。後悔してほしい。
【第93回新人コミック大賞 青年部門 佳作受賞作】