読後感めっちゃいい
新生活をスタートさせようとする中国人留学生が、家具を揃えるという初手からうまくやれずに奮闘するストーリー。 当たり前と思っていたことさえままならなくてイライラジリジリするんだけど、それって実は自力だと当たり前のことすら大変って気付かされて自分の非力さにイライラジリジリしちゃうのかもしれない。 自らチャレンジしようと始めたものの、壁にぶつかっている人、ぜひ読んでほしい。もう一回走り出そうって思えます。
漫画家を目指す中国からの留学生の女の子。日本語も完璧ではない、携帯電話もすぐに契約できない、家具も家電もない部屋で1から生活しなければならない……。
別に日本と中国の違いを描いた作品ではない。留学生だから大変ということを言いたいわけでもない(おそらく)だろう。
地方から1人で東京に出てきた人ならきっとわかる。
誰も知らない、誰にも頼れない場所で、自分に何ができるだろう?というあの感覚。
それでもだだっ広いだけの家に物が増えていって、目的地や欲しいものが見つかって、自分今ここで生きてる!っていう熱を感じることだってできる。
夜中に必死で家具を組み立てる、ただそれだけのことが前を向くきっかけにもなる。
何気なくて所在ない日々をキラキラ描いた素敵な作品でした。
等身大を抱きしめるエモーショナル読切り54P(FEEL YOUNG2023年10月号)