イギリスが舞台なのかなと思いきや、ショートストーリーがふんわり繋がっていそうな形で世界狭しと様々な国が登場する作品でした。

一貫して音楽というものに対する希望の見出し方であったり、抑圧されていた時代の背景や、自由がないと感じるからこそ渇望される自由の象徴として音楽が描かれていたりする。
海賊ラジオだったり密輸されるレコードやTV放送だったり、著者の古き良き時代への想いというか憧れというかが感じられる。

余談ですが、音楽の「形」を扱う作品を読んでいて思い出したのは、御茶ノ水にあった貸レコード屋だった「ジャニス」の閉店がありました。
音楽を聴くのはCDですらなく音源はデジタルの時代にとっくになってしまったわけで、ラジオで音楽を聴くだなんて不自由だなぁと今はきっと思われるのだろうなーとしみじみ。

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BLUE GIANT SUPREME

ジャズは深くて難しくてカッコいい

BLUE GIANT SUPREME
さいろく
さいろく

まず主人公のダイはすごくすごく熱がある。 周りのメンバーもそれぞれ真っ直ぐで、熱量が高い。 で、出会うその他のジャズやる人達も同様に熱い。 向き先は少し違えども、ジャズに対する熱量の高い人達を描いているんだけど、やり続けるとどういう葛藤があるのか想像もつかない。 ※もちろんコレだけが正解じゃないし特殊なんだけど 前作「ブルージャイアント」で感動と、落胆に近い憤りとを感じた人がほとんどだと思う。シュプリームではさすがに同じことにはならないと信じたい(今でもアレは本当にハッキリ憶えてるぐらいツラく、「ふざけんなーー」と口に出たぐらい熱中というか没入していた) 前作からそうだけど、途中途中で後にダイのことを語る人々(恐らくインタビューを受けている)が出てくる。 そこからは当然、未来がある程度想像できるワードがいくつも含まれており、それを踏まえて読む事でまた口角が上がってしまうのを抑えきれずに先を楽しみにして待とうと思えるそんな漫画。 ジャズが苦手であろうとわからなかろうとそんな事はどうでもいいぐらいに、五感を揺さぶってくるすごい漫画なので絶対読んだほうがいいし出来ればネタバレは見ないほうがいい。 ググると「ブルージャイアント ひどい」が一番上にサジェストされて笑ったけど、シュプリームがなかったら本当にただひどかったかもしれない。 ただ、ひどかった(と私含む多くの読者が思っている)のは本当に後半の、割と最後の方の展開の一部でしかなく、それは本当に衝撃的だったけど、その衝撃が大きい人ほどこの作品をちゃんと読んだ人であるのは間違いない。 大好きなので是非多くの人に読んでもらいたい。

おんばんきこう
音盤紀行 1
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音街レコード

音街レコード

レコード漫画『音盤紀行』を漫画誌「青騎士」で連載の毛塚了一郎。商業連載を始める前に書き溜めた自主制作漫画を2分冊で商業出版。東京の小さなレコード店で働く女の子が紡ぐいくつもの物語。上巻である「A面」では、穏やかな時間の流れる街に馴染んだレコード店、そこでの日々の業務を描く「高架線下の音盤」、西新宿の怪しいレコード屋探訪「潜入!レコードストア」、CD世代少女のアナログレコード初体験。そのとき少女の世界は大きく広がる「GET BACK」、セール中のレコード屋を訪れた音楽好きの心理を描写する「まとめ買いの見えないルール」レコードを覗くと失われた街の風景が見える、レコードSF「ホール・ニュー・ワールド」などを収録。7インチレコードを模した正方形の特殊判型での刊行。描きおろしカラーピンナップ画像も収録。

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