竜丸さんの連載、ついに…!という感じです。
鋼鉄の身体をもつ人造人間(ホムンクルス)として生成された少年・テツヲは自分を生成した家族には捨てられ、ヤクザの世界で生きている。何度も家族や仲間による裏切りを経験しても尚、テツヲは「家族」が欲しい。冷たい身体を持つテツヲは家族を手に入れることはできるのか。
『オナ禁エスパー』作者が描く王道バトルファンタジー #1巻応援
『オナ禁エスパー』で一躍名を馳せた竜丸さんの、待望の連載作品です。 人造人間であるホムンクルスが存在する世界を舞台に繰り広げられる、随所に王道少年マンガ感が溢れているダークファンタジーとなっています。 王道であるが故に展開には既視感を覚える方、特に第1話はプロットに『チェンソーマン』を感じる方は少なくないでしょう。しかし、そこは竜丸さん。徐々に独自の持ち味を発揮していきます。 特に1巻で見どころなのは、3話の「新人の通過儀礼」。主人公テツヲが新たな生活を始める拠点となる蜂須館において、自称「かしこくて知的で頭の良い十四歳」シローと自称「十三歳で館一番の美女」カレンが課すとんでもない対決です。ここに竜丸さん節極まれり。 蜂須館の主であり母性と底知れぬ強さを感じさせる蜂須さんや、自称蜂須館で一番キュートなホムンクルスことクレコさんなどのキャラもとても良いです。立っているキャラは続々出てきますし、それぞれの固有の能力に伴った掘り下げも楽しみです。 また、 「多勢に無勢 去勢のひとつでも張ってみろ」 や 「血飛沫に反吐と硝煙」 のような七五調が滲み出る独特のセリフのセンスも小気味いいです。 時折混じるギャグとシリアスの塩梅も良く、濃ゆいオリジナリティを上手く人口に膾炙するように落とし込んである作品となっています。純粋な尖った作家性を見たい方は『オナ禁エスパー 竜丸短編集』の方をお薦めしますが、王道少年マンガを好きな方にはこちらもお薦めです。