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スーパーストリング -異世界見聞録-

縦読み前提の見開きマンガという挑戦 #1巻応援

スーパーストリング -異世界見聞録- 尹仁完 Boichi
兎来栄寿
兎来栄寿

各社や著名人のwebtoonへの参入が非常に盛んな昨今ですが、その中でも特に注目なのが本作でしょう。 直近まで『週刊少年ジャンプ』で累計発行部数1500万部を超える大人気作品『Dr.STONE』を手掛けていたBoichiさんが、『新暗行御史』や『DEFENSE DEVIL』で知られる尹仁完さんと組んで送り出す新作ファンタジー。 面白いのは、4月から『サンデー』でモノクロ見開きマンガとして連載しながら、6月から『LINEマンガ』でwebtoonとしてフルカラー縦読みマンガとしても連載していることです。そして、すでにWEBTOON Worldwide Serviceを通じて7言語での連載がされているそう。 その単行本1巻が発売となりました。 今までも縦読みマンガを見開きマンガにして単行本化というのはありましたが、本作はベースに見開きマンガがありながら縦読み化前提で作られており、webtoon化・フルカラー化する際には効果音や演出、コマの縦横はもとよりセリフにまで大きく改変が及んでいます。 普通の見開きマンガとして読もうとすると若干違和感があることもあり、読書体験としてはwebtoon版の方がかなり上回っている印象ですが、個人的には面白い試みだなと思います。 かつて『ドラゴンクエスト11』が発売したとき、PS4と3DSどちらでも遊べて、なおかつ旧作に親しんだ人に向けて主流の3Dモードとは別にオールドな2Dドット絵モードでも同じ物語を楽しめるように設計していたのが画期的でした。ファンの絶対数的に馴染み深い形式で触れたい、という人も多かったことでしょう。 それと同様に、どうしてもまだwebtoonには慣れないという人も多いと思います。そういう人には、従来の見開きマンガでも読めるという選択権があり、逆に海外に輸出する際などはより受け入れられやすいwebtoonという形式にすることでより臨場感を持って楽しめる。ある程度大きい作品でないとできないことだと思いますが、価値ある試みだと思います。 私は以前に、webtoonの可能性を探る下記のようなインタビューを行いました。 https://manba.co.jp/manba_magazines/22224 こちらでも述べていますが、webtoonはまさに今が過渡期です。それ故に、これからたくさんの挑戦がなされていくことでしょう。 日本人以外の作家として日本で初めてメジャー誌でのヒット作を出した尹仁完さんが、同じく韓国出身のBoichiさんと共にこうした挑戦を行っているのも意義深いです。 正直、「まだwebtoon作品は面白いものが少ないな」と感じている人も多いと思います。ただこれは見開きマンガの初期と同じで、webtoon制作に対する知見や技術、経験値が溜まっていった先には人々の人生に大きな影響を与えるような名作もどんどん登場してくるはずです。 この作品に触発されて「webtoonはこんな可能性もあるんだ」「自分はこうしてみよう」と思うプレイヤーも現れると思いますし、まさにマルコ・ポーロが見た数多の異文化のように、未知の可能性が溢れているのを感じます。

不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

すーぱーすとりんぐいせかいけんぶんろく
スーパーストリング -異世界見聞録- 1巻
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スーパーストリング -異世界見聞録- 3巻
スーパーストリング -異世界見聞録- 4巻
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