中学生が抱える性の問題
男の娘モノ、といってもコメディじゃなくて真面目な話。性の問題、虐待、トラウマなど、中学生の子どもが抱えるには辛すぎる、がんじがらめな状況でもがきながら進んでいくストーリーが丁寧で、いつのまにかキャラ全員に感情移入してしまう。彼らが何かを乗り越えた瞬間、ふっと見せる笑顔のコマがめちゃめちゃ切なくて泣きそうになる。けっしてまりかたんかわゆすというだけのものがたりではないのですけっして。
主人公は女装癖のある3人の中学生男子。純粋に女の子として生きていきたいためだったり、死んだ姉の身代わりとして母親を慰めるためだったり、理由と事情は様々。それぞれに傷ついたり、悩んだり、胸ときめかしたりしながら、思春期の日々を懸命に生きている。そんな3人が出会ってしまったとき、物語は動き始める――。
女の子3人がオフ会で集まったけど実は3人とも男の子ででした。というさわり。
それぞれ女装をしている理由はそれぞれで、一人一人の過去の思い出や出来事にスポットを当ててくれるのでとても感情移入がしやすいです。
一人一人の辛い思いなどが心がいたくなるぐらいに伝わってきていて、深く重い題材だなと感じました。
「多様性」が認められてきている今、そういう方々に一度この作品を読んでほしいと思いました。
もちろんそうじゃない方々にも読んでもらい「多様性」を心の底から受け入れられるような優しい世界になってほしいと思いました。