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綿谷さんの友だち

綿谷さんの"真っ直ぐな言葉"が心に響く

綿谷さんの友だち 大島千春
sogor25
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相手の言ったことを文字通りに受け取ることしか出来ない女子高生・綿谷さん。「凪のお暇」の凪が"空気を読みすぎる"人なら、彼女は"空気を読むことができない"人かもしれない。そんな彼女と、彼女を取り巻くクラスメイトとの物語。 ともすると綿谷さんは"発達障害"や"アスペルガー症候群"などの"病名"をもって語られる存在なのかもしれない。もちろんそうすることで得られる物語的な効果もあるとは思うけど、今作では特段そういう説明のしかたをせず、あくまでよくある高校での一風景として綿谷さんと周囲の日常を描いている。それによって、極端に空気を読まない綿谷さんの存在がより親身なものとして感じられ、現実感のある物語になっている。 そして、空気を読めないことが"真っ直ぐな言葉"となって周囲の人に届くことにより、分かり合えない」のすれ違いから友だちになるまでの過程が高校生活の1ページとしてキレイに可視化されている。 主人公の振る舞いが周りに影響を与えていくというのは「町田くんの世界」や「スキップとローファー」とも近いかもしれないが、興味深いのは基本的に各話の語りの中心が綿谷さんではなくその"友だち"の側にあること。それは各話サブタイトルが友だちの名前になっていることからも分かるし、後から思い返すと作品のタイトル自体も「綿谷さんの"友だち"」だったと気付かされる。そういう意味ではもしかしたら「桐島、部活やめるってよ」に近い演出なのかもしれない。ただ、他者視点が多いなかで綿谷さんの視点でも要所で描かれており、実際に読んでみるとかなり極端な存在なはずの綿谷さんに対しても感情移入できるように作られている。 綿谷さん視点でも"友だち"視点で見ても、いずれにしても作品全体の"真っ直ぐさ"が純粋に心に響く作品。 1巻まで読了。

こどもの楽園

今までの読切は好きでしたが。

こどもの楽園
名無し

本作について率直に述べると、作品全体を通して、物語運びの緩慢さと説得力の不足が目立ちました。 まず、ストーリーの構成に関して、冒頭からラストにかけて主人公に明確な変化がなく、物語としての推進力をほとんど感じられませんでした。 「人物が変わる」「状況が進む」という基本的な物語の骨格が欠けており、読後感も非常に希薄です。 冒頭2ページ2コマ目では、主人公が焦燥感を見せる描写がありますが、後半の感情から考えるに、その表情はおかしい気がしますし、内心の感情の動きが理解しにくいです。 読者が彼女に感情移入するための導線が極めて弱く、キャラクターへの興味を持続させにくい作りにもなっています。 先生や慰問客に対して主人公がどういう感情を抱いているのかすら不明瞭であり、物語の冒頭については、致命的な弱さを感じました。 作品の大部分が会話だけで進行しているにもかかわらず、その会話も、すでに最初から主人公がもっていた感情を繰り返すばかりで、主人公が新たな気づきを得るものでもなく、演出として動きがないことに加え、会話劇としても内容に発見がないため、単調さが際立ち、読んでいて強い退屈を覚えました。 さらに、物語に結論やメッセージ性が欠如しており、読者に丸投げする形になっている点も問題です。 テーマ自体には社会的意義を意識した意図があることは見受けられますが、それを掘り下げることなく、ただ表面的に「題材を取り上げた」だけにとどまっており、結果として浅いファッション的フェミニズムに見えてしまっています。 テーマを選ぶ以上、作者自身の視点や覚悟が作品ににじみ出るべきであり、それがないままテーマだけを扱うのは、むしろ逆効果になりかねません。 残念ながら、本作はテーマの重みを活かすだけの構成力も筆力も伴っていない、という印象を拭えませんでした。 前作でもフェミニズム的テーマを掘り下げきれないまま終わったと感じていましたが、その課題をそのままこちらでも感じた次第です。

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