応募資格ギリギリ、アイドルを志すにはまさにラストチャンスの主人公・ミミと、上を目指すべくグループを脱退してまでオーディションに挑むもう一人の主人公・イブキの物語。

ふたりの主人公がアイドルオーディションを目指す話としては『ひかるインザライト』を
崖っぷちからの再起を描く話としては『リボーンの棋士』を思い出しましたが、
理想をめざしてひた走るピュアさや熱血さはまさしく同作者の『New Game』のそれだなと感じます。

一度は夢破れ就職も視野に入り始めた“大人”の主人公だからこそ、「アイドルが好き」という純粋な情熱だけでラストチャンスに賭けるという夢を追うストーリーとしてのピュアさが尊く感じられるのかもしれません。

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【4巻読了】
・能力主義(メリトクラシー)は本当に正しかったのか?
・私は自由を求めて本当に自由を手にしたのか?
というスーパー哲学的なストーリーのベースラインとなります。

これはマジで答えが出ないです。
素人考えですが、高校数学の2次関数において
任意のx, yをとるxの2次関数f(x)=zみたいな、多面的で複雑な哲学問題のようだなと思いました。
f(x)の最大値はアイドルの可愛さや歌の上手さで決まるように見えて、案外複雑な関数が横たわっているのです。
そして、彼の代表作『NEW GAME!』を踏まえると、得能正太郎作品に共通する哲学とは、「人間の生み出すエネルギー」なのではなかろうか、という補助線が浮かび上がってくるのです。

作者には世界(あるいは人間)がこういう風に見えているんだろうな、という本来の意味での【世界観】がありありと見えてくる。名作漫画の要件として、個人的に推したい【関数】のひとつです。

(追記)
「目が肥えているからこそ、見えないものがあったのかもしれない」
審査員の採点とオーディエンスの投票が食い違ったことに対する主催者の言。
『目が肥えている』と断言することでプライドと責任を表しつつ、同時に謙虚でもある。めちゃめちゃいいセリフだなぁ。

ありふれた職業で世界最強

主観なので駄作とまでは言い切りたくないが…

ありふれた職業で世界最強
mampuku
mampuku
 男子中学生の妄想ノートを延々と読み聞かせられてるみたい。笑  なろう系のファンタジー小説って多かれ少なかれそういう厨2要素がありつつ、ストーリーを構成するある種の技術によって、カタルシスや萌えなどで読者を気持ちよくしてくれるエンターテインメントに昇華されてる、特に人気の作品は大体そうだと思うんですけど、この「ありふれた~~」という作品に関しては"厨2要素"どころか剥き出しの妄想そのものを読ませられてるみたいです。残念なことにコミカライズ担当の絵が上手すぎないのもそれに拍車をかけてる感じがします。  ナードで陰キャラなのに"何故か"クラスの中心的グループから一目置かれ、”何故か”クラスのマドンナから甲斐甲斐しく世話を焼かれ、そのせいでクラス中から妬まれている。その後クラス全員で異世界に飛ばされるも"偶然"最強レベルの能力に目覚め、強くて可愛くて従順で自分に好意を向けてくれる少女と出会い、一緒に魔物と戦いながら元いた世界を目指して旅をする。  ……。  いや、わかるんですよ、牛脂で焼けば肉は美味いし苺に練乳かけたら美味しいのはわかるんですけど、これはどちらかというと牛脂に練乳かけてナマで食わされてるみたいな…料理しよ?  ちなみにコミックスの巻末に4ページ程度の書き下ろし小説がついています。短いですが、けっこう読むのがしんどかったです
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こもれびの国

こもれびの国

お城に暮らす小さなお姫様、街を守護する若き騎士たち、そしてそこに暮らすあたたかな人々…。ふんわりやさしいこの国で、リュリュはなかよしのともだちと共に元気に明るく学生生活を楽しんでいます。いまにも動き出しそうな少女たち、細密画のように情報にあふれた画面構成、人気イラストレーター・得能正太郎の初めてのコミックスは、女の子たちのひそやかな息遣いであふれています。大幅加筆修正し全ページカラーの豪華単行本。
22歳“元”アイドル、再起を期すにコメントする