個人的に今年1番の期待作にコメントする
大乱 関ヶ原
センゴクシリーズの外伝的作品
大乱 関ヶ原 宮下英樹
ひさぴよ
ひさぴよ
https://manba.co.jp/boards/61748/books/27 同作者のセンゴクシリーズにて、朝鮮出兵後から関ケ原の戦いまでの歴史については、センゴク権兵衛の終盤でも描かれていたが、だいぶ駆け足であった。そこに最新の研究や考察を盛り込み新たに始まった作品。 掲載誌がヤングマガジンからコミック乱に移り、タイトルも変わっているため別作品と思われる方もいるかもしれないが、各人物のキャラデザはセンゴクシリーズを引き継いでおり、外伝的な位置付けの作品と言っても良いだろう。(ちなみにセンゴクはいまのところ登場してない) センゴクシリーズを未読でも当然楽しめるが、家康が主人公となったことで、センゴクの家康とはまた違った一面が感じられる。「馬鹿者!」と怒ったり、裏工作がバレて周りの信頼を失ったり、老獪さのイメージとは裏腹に、何かと思った通りに事が運ばなくて慌てる家康の姿が印象的だった。 最終的にどれくらいの長さの巻数になるかわからないが、今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」も始まったこともあり、「センゴク外伝 桶狭間戦記」と同じくらいの長さになるのではと予想。従来の家康像とはまた違った姿を見せてくれる事と思う。完結まで要注目の作品である。
ならべ カヤック
カヤックで楽しく働く面白く熱い人々 #1巻応援
ならべ カヤック
兎来栄寿
兎来栄寿
昨年で25周年を迎えた、「サイコロ給」などで有名な面白法人カヤック。そこで働くさまざまな人や事業を、『漫画 君たちはどう生きるか』の羽賀翔一さんや『左ききのエレン』のかっぴーさん、『半人前の恋人』の川田大智さんなど、さまざまな漫画家の方々が描いたマンガです。 15周年の際に公開されたものなど一部古いものも含まれていますが、内容としては今読んでも十分面白いです。 『ことばのパズル もじぴったん』や『冒険クイズキングダム』を作った後藤裕之さんの「存在感の作り方」では、後藤さんが円周率を42195桁暗唱して世界記録を樹立したり、夏休みの自由研究で人間が100時間寝ないとどうなるかの研究を自分の体を使って人体実験した話など、突き抜けたお話がまず面白いです。 マジカルラブリーの『スーパー野田ゲーPARTY』も後藤さんだったんですね。川田大智さんが描く「スーパー野田ゲーPARTYを作った男たち」も笑いながら読みました。(『野田ゲー』の中でも邪道バースは天才的だと思いましたし、全国大会も熱かったです)。 突飛なところはもちろんですが、地に足のついたビジネス的な部分の良さもあります。 「ゲームやサイトを作るだけがクリエイティブな仕事ではない」 「メールひとつにも思いと工夫をこめれば喜んでもらえる」 という、秘書を描いたエピソードなどは社会人にとって参考になる一節でしょう。 それを体現するかのように、別の話ではユーザーからのゲームへのお問い合わせに世界観を尊重し反映した回答をするという別の社員のエピソードが描かれており、「王が履いているパンツは何色か」という質問にも極めて真摯に答えていきます。 ゲーマーならお世話になったことがあるかもしれないLobiや、e-sportsの普及に向けての愛溢れるモチベーションなども読んでいて高まります。コロナ禍でオフラインの大会が消えても、オンラインで毎週大会を行い配信をして格ゲーコミュニティを熱くし続けたなどの近年のエピソードなども好きです。 総じて、楽しみながら仕事をするということの素晴らしさ・大切さを教えてくれる掌編が詰まっています。 現在多くの電子書店で無料で全編読めるので、この機会にぜひどうぞ。
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