漫画大好き少女の成長物語
※ネタバレを含むクチコミです。
◎とよ田みのる最新作は、漫画家漫画! 漫画の可能性をひたすらに探究した前作 『金剛寺さんは面倒臭い』完結から1年8か月。待望の新作は、漫画を描く歓びも苦しみも、ぜぇ~~~~んぶを詰め込んだ、漫画愛に満ち溢れた漫画浪漫成長譚! 漫画を愛する全ての人に届けッ!! 東京の島しょ・伊豆王島に住む安海相は、漫画が大好きな高校1年生。長年活動休止状態の憧れの漫画家 ☆野0先生がコミティアに出展することを知り、東京都区内に旅立つことに… そしてコミティア会場での思わぬ出会いが相の人生を変える! 漫画家にはどうやったらなれるのか? 知っているようで知らない漫画創作の世界。この物語は、その世界に続く“まんが道”へ踏み出していく少女の物語。漫画家を目指している人にも、かつて目指していた人にも、漫画が好きな人にはもちろん、漫画を毛嫌いしている人にも、漫画を読んだことがない人にだって絶対に読んでもらいたい漫画の漫画ッ!! ゲッサン本誌掲載時のカラーページを単行本でもカラーで再現! 巻末には本作に実は深く関わる作品だった「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された読切、『デビュー』タイトル改めの『ロストワールド』を収録!
大賞受賞!純粋に嬉しい!
最終選考まで残ったけど、
他のノミネート作品と比べると、絵柄も題材も地味だし(超失礼)、大賞はダメだろうなぁとか勝手に思っていただけに、大賞受賞の情報に興奮して、思わず
ヘグッ!
ってなりました!!
作家さんも好きな人だっただけに、めっちゃ嬉しい。
内容は、ざっくり言うと漫画家マンガ。
主人公は娯楽の少ない離島に住んでいる女子高生。
そんな彼女の楽しみは、とある作家の漫画。
その漫画のおかげで文字通り人生が代わり、彼女にとっていつしか憧れの存在になる。
しかも何度も読んでいるから、しまいにはイマジナリーフレンドとして、漫画のキャラと妄想的に会話をする始末。
そしてある日、長い間作品を発表してこなかった憧れの作家が、コミティアに参加することを知り、矢も盾もたまらず会いに行く。
すると会場にいたのは、まさかの・・・?という展開。
ここまで読んで、漫画に人生変えられた人は共感必至なのではないでしょうか?
私事ですけど、自分は主人公とすごく重なりました。
自分も田舎出身で漫画しか娯楽がなく、漫画のキャラをイマジナリーフレンドとして都度勇気をもらい、崇拝する作家にどうしても会いたくてサイン会に東京まで行く、そんな時代を思い出してしまい共感しかなかったです。
絵柄にクセがあるのですが、題材とマッチしているし、個々のキャラが感情表現豊かで読んでいてい温かみを感じます。
言葉選びの表現も秀逸で(添付のコマ)、思わず唸ってしまいました。
「漫画に人を感じたい」
ホントにその通りだし、それを体現している漫画だと思います。
漫画、創作、表現することの素晴らしさを随所に感じさせてくれる作品です。
本作が、マンガ大賞とる時代で良かったなーとつくづく思いました。