なんだこのイカれたサンタは〜〜!?最高だ…!
最近では『ゴールデンカムイ』、『ハイパーインフレーション』といった、ちょっと変な奴らが一生懸命に生き、信念や生き様や命のキラメキを見せてくれる作品が人気を博していますが、こちらもその2つに並ぶ素敵なお話でした。
西洋風のお洒落で可愛らしいデフォルメが効いた絵の魅力もさることながら、キャラの設定がどうかしてて本当に最高。
これからネタバレするので、未読の方は今すぐジャンプラに読みに行ってください。
◇ ◇ ◇
殺人に快楽を覚える12歳の少女・サリーは、人殺しだけを殺す殺人鬼として世界中で活躍していたが、ある北国で捕まり死刑を待っていた。
するとそこにある男が現れサリーを連れ出すが、その正体はサンタクロース。
サンタは拡大する世の中のサンタへのニーズに答えるため、自らの身体にプラナリアの遺伝子を取り込み「分裂」することに成功。
彼の体を切り刻んでくれる人材を探していた――
◇ ◇ ◇
もうこんなんどう考えても面白いし、
「都会では真冬に凍死した人のニュースが流れるだろ?アレは分裂した私だよ」
(サリーに「痛覚とかあるの?」と聞かれ)「バリバリあるぞい!!新鮮な反応が楽しめるぞ!!」
「つまり私は…痛いとむしろ悦ぶんだ!!!」
などなど、サンタさんのパワーワードの切れ味がまたすごい。
こんなに変態的でメチャメチャなのに、このお話が最後に私達に見せてくれるのは、いろんな人間が居て清濁併せ呑むこの世界の美しさ。
ドMサンタに世界の美しさの片鱗を見せられて図らずしもグッと来てしまいました。
悔しい…。
(この辺に『金カム』『ハイフレ』と同じソウルがを感じました)
物語を紡いでいって最後に迎えるクライマックスの見開きが本当に素敵なので、ぜひたくさんの人に読んでほしいです。
てか本当に絵がかわいい〜。地味にシチューのお皿をサーブしてくれるトナカイさんとか、歌舞伎町で死んでるサンタの脇にいる猫(犬?)のクタッとした感じがメチャメチャかわいい。
南野夏雄先生お名前覚えました。
臓物溢れた血塗れの聖夜にて、想像を超えた、奇跡は起こる――……