作者が小学生のときに経験した祖父母の介護を手伝っていた日々の様子が、テンポよく、おもしろおかしく描かれている。
「介護小学生」、つまるところ壮絶な「ヤングケアラー生活」。
昭和の終わり。
義両親の介護要員と化した母親が、自宅の家事をし、同居するおじさんが帰宅するまでの数時間、認知症になった祖母、寝たきりの祖父と過ごしていたそうだ。
今だから、そう言えるんだろうなというシーンが、おもしろおかしく描かれている様子に、どこか胸がギュッとした。
介護職についている私の親戚が、トイレを粗相するようになったら自宅で生活していくのは大変だ、そうなったら自分たちは施設に入ろうとしみじみ言っていた。
描かれている作者祖母は、おそらくその段階。
でも昭和終わりなら、今と施設の状況も支援の状況も、周囲の視線も違う。
作者母、本当によく耐え抜いたな。
子育ても、介護も、主婦業も。
そして父。彼らはお前の両親だろう。嫁だろう。
Kindle Unlimitedで読み、なかなか衝撃を受けた作品。
デイサービスもなく介護にまだ理解のなかった昭和時代。小学校が終わった放課後、友達と遊ぶこともせず、寝たきりのじーちゃんと認知症のばーちゃんを1人で看ていた介護小学生が体験した在宅介護の現実。潔癖症の父・肝っ玉母さん・独身貴族の伯父・したたか園児の妹――家族7人、困難も周りの好奇の目も大胆なアイデアと愛情で乗り越えた、涙と笑いのW介護エッセイ漫画!
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