5.0
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10年前に処刑された、希代の悪女と呼ばれたスカーレットの死の真相を探るミステリー。
小説家になろうのテンプレートでいくと、悪役令嬢が婚約者をとられ、さらに処刑ルートに回った10年後のお話となる。
10年が経ち、真相を探るのが難しくなった部分と、貴族社会の難しさやいやらしさで真相を探ろうにも一筋縄ではいかない部分と。
そこがストーリーのおもしろさを増している。
悪役令嬢の話ばかり書いたが、主人公はスカーレットでなく、誠実さだけが取り柄の家系に生まれた地味な少女コニー。一応貴族。
コニーが、ある夜会でトラブルに陥って助けを求めたとき、唯一、そして偶然にも応えてくれたのが10年前に処刑されたスカーレットの幽霊。
手助けしてもらったことをきっかけに、コニーは「無実の罪で処刑されたスカーレットの死の真相を探る手伝い」をすることになる。
スカーレットがすごく良い人に見えるけど、悪女伝説はだいたい真実。背景を知れば仕方がないかなとも思えるけど、だいたい真実。さすが悪役令嬢役。
そして、非常に強気なスカーレットは見ていて気持ちがいい。
処刑されなかったルートのスカーレットを見たくなるほど、魅力的なキャラクター。
言葉を重ねるより、漫画でスカーレットをみてもらったほうが、彼女から溢れ出る魅力は理解しやすい。
そして彼女がいたからこそ、「誠実」という家柄に甘んじず、強かに成長する主人公コニーも見ることができる。