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『ハム子とガオくん』、『ヘヴィ×ヘヴィ』の桃白茉乃さんによる、初の紙単行本作品です。
心の中の井之頭五郎が「ほーいいじゃないか こういうのでいいんだよ こういうので」と独りごちる、別マ作品に求めるど真ん中のような甘酸っぱい正統派学園恋愛マンガです。
自分より勉強も運動もできて容姿も良くて人気者というクラスメイトの同じ苗字の女の子に、何も持たない平凡な主人公の少年によるコンプレックス・嫉妬から始まる恋物語。転校で離れ離れになった後、苗字の変わったヒロインに高校で再会するというベタな設定ですが、こんなんナンボベタベタでも良いですからね。
この作品の良さを挙げて行きますと、まず絵がかわいい。シンプルに大事な要素です。桃白茉乃さんはここぞというシーンの絶妙な表情の描き方なども良いです。
また、良い学園恋愛マンガの要素として「周りの友人キャラが良い」というのがありますが、そこもしっかり押さえられています。個人的にはクールビューティーでイケメンな泉野さんなどは、今後掘り下げられたらとても好きになって行きそうな予感がします。そして、ある意味主人公以上にヒロインを好きな女の子である空の存在が、この物語では大事な鍵を握っています。
そして、何と言っても平凡な主人公を魅力的に描いているところが良いですね。特に何かSFやファンタジー的な設定があるわけでもない。芸能人や動画配信者やインフルエンサーでも、何か特殊な才能や特技があるわけでもない。本当にどこにでもいる、ただの普通の男の子。何ならずっと劣等感を抱えて生きてきた彼の、普通の人間としての優しさや魅力を丁寧にたっぷり描き出していくところが良いんです。そういった部分をヒロインが認めて、関係性が徐々に深まっていく展開への安心感があります。
男子主人公視点でヒロインの言動に振り回されながらも、彼女が抱える秘密のヴェールを少しずつ脱がしていく構成も続きを気にさせます。
ケンカップル好きの人、王道恋愛少女マンガが好きな人にお薦めです。
大っ嫌いなアイツが、めっちゃ可愛くなって帰ってきた…!? 何もかも平凡な男子・小宮山駆(小5)は、同じクラスの小宮山英那がキライ。苗字は同じなのに、自分と違って勉強も運動もできて、ムカつくからだ。ある日、英那が突然転校し、せいせいした…と思ったけれど、4年後、高校の入学式で再会して…!? ムズきゅん度200%の幼なじみラブ
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