一人ひとり違う痛みに、向き合い寄り添う精神科ナース
※ネタバレを含むクチコミです。
心の痛みと向き合う、精神科ナースの物語 前作『精神科ナースになったわけ』が話題を呼んだ著者の最新意欲作! 虫歯ができたら歯医者に行くように、心の病気にかかった人のために「精神科」がある。でも「心の病気」ってなんだろう? 患者さんが“本来のその人になっていく”、その小さなお手伝いをするのが看護師の仕事だ。彼の、彼女の、「こころ」の痛みに耳をかたむける―― ささやかだけれど切実な、精神科ナースの物語。※本作は、医療者・患者さんへの取材に基づいたフィクション作品です。医療監修は、精神科医・医学博士の山登敬之先生にご協力いただいています。
1巻を読んだ時点では、良い漫画だとは思いつつも、深刻な心の悩み(特に自殺願望、リストカットの心理とか)にそこまで共感できず、しんどすぎてもう続きを読むことはないかなと思ってたところ、作者さんの最近のツイート(
)「暴力を振るう男性が何を考えてるか」を目にして、この回のテーマが刺さりすぎて衝動的に一気に完結まで揃えて読んだ。3巻は「男の生きづらさ」がテーマなのだが、自分も男性である以上、まったく他人事とは思えない内容だった。
そして精神医療の世界は決して”向こう側”の話ではなく、想像していたよりも地続きの問題であり、深刻でないにしても、メンタルや依存症問題に興味があれば、読んで非常に勉強になることが多かった。男性の加害問題だけでなく、5巻では女性側のパワハラ・DV加害も取り上げられていて、こちらも「なぜ人に怒るのか」というプロセスが明確に説明されており、今まで感じていたモヤモヤが晴れたような気持ちになった。
その他にも語りきれないほど多種多様なテーマが盛り込まれている「心のプロ」を仕事とする人々描いた作品。
この先も、心が不安定になることがあったら読み返したい。