他人の価値観や死に向き合う非常に良い読切でした。

ある朝、拾って11年ものあいだ生活を共にした愛猫・シビが死んだ。
タカオはパートへ、マキは仕事を休んでシビのことはやっとくと言うので任せることに。
傷心のまま働き帰ってみるとシビは冷凍庫で冷たく凍っていて、剝製にするとマキは言い出す。
シビを埋葬しようと考えるタカオと剝製にしたいマキの気持ちはすれ違い…。

心を揺さぶられたし、単純に話運びも面白かったし、同時に考えさせられた。
いかにも一般常識側の「普通」っぽく振舞うタカオだが、他人からしたら異常性を感じる部分もあって自らを省みることになる。
「共感できないからって人の気持ちを否定していいわけないですよね」
他人に気持ちを否定されたことで、初めて自分も色眼鏡でマキを見てしまっていたことに気づくシーンがよかった。
二人は互いの気持ちの開示とコミュニケーションが足りていなかったのだ。
これを機会に二人の関係ももう一歩進んだようで読んでいて嬉しかった。
死の受け入れ方は人それぞれだ。

「シビ」って、フランスで猫によくつけられる名前だっけと思って調べたらそっちは「シピ(Chipie)」だった。

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シビは寝ている
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