広告でまわり、見事につられました。

瀬戸内海に浮かぶ島が舞台。
主人公の大鳥サキは、高校時代、男女のいざこざが原因で、クラスメイトのリーダー格であるマリコから陰湿なイジメを受ける。
マリコは島でも有力者であることから、母親ともども村八分をうけ、結果、島を出ることになる。

数十年後、自分にした仕打ちを忘れたかのように笑って暮らすクラスメイトたちが、偶然テレビに映る。
母も死に、夢だった教師も諦めた不幸な自分と比較して、島でのうのうと暮らす彼らに、ふつふつと復讐心が芽生え、姿も名前も変えて島に舞い戻る、という流れ。

島の閉鎖空間で、マリコを筆頭としたカースト制度のようなものがしかれ、異様な空間が広がってますが、島や小さい村というのはえてしてこんなものなのでしょうか。
要は、有力者が何でも牛耳る。

主人公サキは、マリコの前に、外堀を埋めるかのように彼女の取り巻きである元クラスメイトたちに少しづつ接近していく。

よくある復讐劇なのですが、島の異様な慣習というか島の有力者マリコの狂気じみた権力、はたまた受け継がねばならない使命感なのかが良いスパイスになって、物語を面白くさせてくれます。

マリコの子供と、何か秘密があるようで、ただの復讐では終わらない底深さがあります。

まだ2巻ですが、マリコの夫にも接近して、物語が動き出した感じがあります。
閉鎖空間での復讐劇が好きな人にはおすすめです。

読みたい
武士沢レシーブ
謎に読み返したくなる
武士沢レシーブ
六文銭
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思春期に「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」をリアルタイムで読んでいた人はわかってくれると思うのだが、ギャグ漫画としてのマサルさんの衝撃はとにかく凄まじかった。 意味不明なのに爆笑できるという体験をさせてもらった作品で、シュールのような斜に構えたものでもなく、浦安鉄筋家族のようなわかりやすいギャグでもない。 でも面白い!という今でも強烈に覚えているほど私には衝撃的だった。 そのうえで、次回作がコレ。 そして、『ピューと吹く!ジャガー』に続く。 つまり、マサルさんとジャガーの間が本作。 わかりやすく言うと打ち切りなのだが、これはこれで私にとっては衝撃的だった。 マサルさんの衝撃後、同著者の新連載ということで本作を読んだら、文字通り ??? となった。リアルタイムで読んでいた人は(以下略 雰囲気はマサルさんチックなのだが、ヒーローに憧れるとかバトル要素が強く、どことなくギャグのキレも弱い。 でも、大人になるとなぜか無償に読みたくなる。 マサルさんの著者なのになぜ?と友人とよく話していた思い出補正もある。 加えて、マサルさんからジャガーへ昇華される段階なのか?という捉え方ができたり、純粋に天才だと思った作家の人間味を感じる。 ギャグ漫画の鬼才だと思っていた人間も、迷走するんだなと。 (マサルさんの後半も結構失速感はあった) 大好きな作家の、そんな一部が垣間見えるということで、謎に読み返したくなる作品です。 作家ファンの人にとっては貴重な体験になるのではないでしょうか。 最後に、ギャグのキレが弱いと言いましたが。「イヌーピー」(要はアレ)というキャラだけは、腹かかえて笑いました。
勇者カタストロフ!!
ドラクエ4コマの雄「牧野博幸」のオリジナル作品
勇者カタストロフ!!
六文銭
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少年時代、ドラクエ4コマが好きだった私にとって、その作家さんたちがオリジナルを描いていた「ギャグ王」というマンガは宝物みたいな雑誌でした。 (残念ながら雑誌自体、短命に終わったのですが・・) ドラクエ4コマの中でも、牧野博幸という漫画家はグンを抜いて面白かったので、そのオリジナルである本作も大好きでした。 カルト的な人気で絶版されたギャグ王版の単行本が高値取引されており、そこから見事復巻されたと記憶してます。 (なぜか、仙台のブックオフで4巻4000円くらいで全巻買った思い出がある。) ギャグのセンスというか、笑いのツボが同じなのか、とにかく読んでて面白い。 会話の流れや、セリフのチョイスが的確なんだと思う。 ただ、あらためて読み返してみると、長編のストーリー向き(しかも、後半にかけてやたらとシリアスな展開になるので、そのジャンル向き)の漫画家ではないのかなと感じる部分もあります。 子どもの頃は感じなかったのですが、場当たり的な展開や後出しの設定が出てきて「?」ってなる部分が、本作には多い。 ストーリー漫画がうまい人は4コマもうまいと聞いたことがありますが、逆もまた然り、というわけではないのかな? それでも、瞬間最大風速のギャグは顕在なので牧野博幸という漫画家の価値が損なわれることはないし、むしろドラクエ4コマなどで作家のファンになった人にとってのファンアイテムとして一度読んでみてほしいと思います。
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