来陽と青梅
友達だと思っていた子からのアウティング描写が辛く、読んでいてもメンタルをやられてしまうので気分が安定している時に読むべき。デビュー作で「自分から言葉にして伝えること」を描いていたのに対して、今作では他人からのアウティングを正面から描いている。 同性愛者当人である淳と同性愛者に人生を壊されてしまった心とのダブル主人公でやりたかったのかな…?と思うが、描き切れていない感じも。 現役大学生作家としてデビューした深山はな先生、まだ別の作品も読んでみたかったが、これを最後に筆を折ってしまったようで残念。
どんなときも優しくあれるように
とはback numberの「水平線」の歌詞。
この子の苦悩、苦味すら感じる葛藤は本人からしてみたらこの世の全てが敵に回ったような、胃がひっくり返るような想いだろう。
大人はわかってくれない、とガキの頃は思うものだけど、実はその大人は共感が足りないだけでよくわかってたんじゃないか。
今の自分はどっちの目線でこの漫画を読めばいいのか。胃が痛い。
素晴らしく、甘くなく、ただ酸っぱいだけのはずの主人公の苦悩。
それを俯瞰して見てしまい、その他の、彼女の周囲に広がる可能性のある未来まで含めて見てしまう我々大人は「甘酸っぱい」と表現してしまうんだと思う。