母と四姉妹の日々のはなし
それぞれ自立した4姉妹と、母親。父親は亡くなっている。 とりとめもないけど、社会を真摯に生きる女系家族を描く新連載。四者四様の人生を営んでいる姉妹たちの誰かに自分を重ねてもいいし、俯瞰からただなんとなく眺めているでもいい、というような気持ち。
【電子限定!描き下ろし特典ペーパー収録】『プリンセスメゾン』の池辺葵、心の最深部に触れる最新作! 4姉妹と母。女たちが抱く罪悪感と宝物。アパレル通販会社で働く4姉妹の末っ子・仁衣。喫茶店を営む三女・茉子。役所勤務の次女・太重。シングルマザーの長女・イチ。そして、実家を一人で守る母。今はそれぞれ離れて暮らしているが、女5人で育てた長女の息子・岳は、皆にとっての宝物だ。けれど、岳にとっての女たちは、いつも正義であっただろうか――? あなたにもきっと、思い当たる感情がある。だからこそ、この物語はあなたの呼吸をふっと軽くする。池辺葵が紡ぐ様々な世代の女たちと家族のあり方について。
アパレル系の会社で働く末っ子のニイ
喫茶店を営む3女マコ
役所勤務の次女タエ
シングルマザーの長女イチ
実家で一人暮らしの母
そして5人で育てた宝物であり長女の息子の岳
で構成される八条寺家の物語を描いた今作
本作の魅力はなんと言っても
繊細なペンタッチで描かれた人物描写だと思います
池辺先生の絵は線一本一本に着目してみると非常に繊細で今にも折れてしまいそうなものに見えますが、その線が集まり絵になったときには
不思議と一本芯が通ったような独特の力強さを持つ
そんな絵の中で語られる5姉妹それぞれで全く違う社会への関わり方や家族への愛情表現は
長女の離婚と父親を失ってしまった息子というトラウマを抱えたまま生きている
彼女達なりの儚いながらも芯の通った力強い信念を見事に描いています
そして、5人の女性たちの芯の通った生き方は
今、何かと不安定な社会の中を生きる僕たちが失いかけている
大切なものを思い出させてくれるかもしれません。