好きなだけで良いのかも。
人物一人一人の言葉が、とても心に響く。 言葉使いもとても丁寧で上手で何が言いたいのか伝わってくる。 唯衣子と有一、二人が恋愛することで自分の足りないを見つけ、向き合う流れは、読んでても辛くなるとこ多々あった。 時に自分と重ね合わせたり。 お互い答えを見つけた後の二人の関係性が私はとてもいいなと思って、最後とてもスッキリした。
天野唯衣子は、先月彼氏と別れたばかりの26歳。元カレのことはそれなりに好きだったけど、泣いたりするほどは好きじゃなかった。恋愛に向いていないなら、婚活だと思ったけれど、それもうまくいかない……。そんな彼女に不意に訪れた、イケメン美容師・榛名との出会い、そして接近――。この出会いは、恋のはじまり?それとも?? 気持ちが勝手に沸騰する、大人の恋の始まりを描く恋愛物語、開幕――。
有一の女の人との関わり方、自分の保ち方、母親との距離の取り方など、私も母子家庭で育ち、愛着障害を抱えているので共感する部分が多く、
唯衣子の投影や執着から解放されて、自分を取り戻していく様子にも、読んでいるこちらの心が救われるような気持ちになりました。
ひとつひとつの言葉も深くて、サッと流して読めるものではなく、かけてきた呪いが解けるような、本当はもっと別の道でもいいのかもと、肩の荷が下りるような、頭と心に留めておきたい言葉がたくさんで、読んで良かったです。
エーリッヒフロムの「愛するということ」読んでみます。