今までの人生で、一番の逆境に遭いました。不惑を過ぎて、自分の身にまさか…といて感想を抱いたりもしたのですが、そこで逆境ナインにおけるキャプテン、不屈闘志君のことを思い出しました。
「こんな状況で、◯◯ならばきっと✕✕になるに違いない…」(詳細は伏せます)
作中で失礼な想像だとネタにしていますが、実際自分も同じようにアイツならば…と想像したりもしましたし、島本先生に前を向く力を貰えたと感謝しています。
盛夏という言葉が相応しい、島本漫画の金字塔。憂鬱な世相を忘れさせてくれる、カンフル剤のような作品です。

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逆境ナイン

これは相当上位にランキングせざるを得ない野球マンガ

逆境ナイン 島本和彦
酒チャビン
酒チャビン

失礼ながらそれまで全然存じ上げなかったのですが、半年くらい前に初めて作品に触れて、いまはサインをもらいたいマンガ家ベスト3に入ってくる島本和彦先生による野球マンガです。 アオイホノオをはじめとするマンガ家マンガの面白さについては大信頼をしていましたが、その他のスタイルのマンガについては、これまた失礼ながら完全にナメてました(だってアオイホノオで描かれているものが軒並み面白くなさそうだったんですもん!!)。 が、WBCに備えて世の中の全野球マンガを制覇しておこうとしている以上、避けては通れないということで手に取りました。 これは相当上位に来てしまいます。 もう第1話からめちゃ面白いです!!! あとはとにかく作中に通底する熱いメッセージがとにかくしびれます。最後の最後、飛行機がなぜあんなに高く飛べるのかについての答えとして、「すさまじいばかりの空気の抵抗があるからこそなのだ‼︎」で脳天にカミナリが落ちました。 努力や特訓を描いてその大切さを説くマンガは多く、そういったマンガはわたしも好きなのですが、このマンガは正面から努力や特訓のシーンを描くのとは少し違った形で、そういったものの大切さを教えて下すってます。こういうやり方もあったんか。。。 あまり努力とか頑張るとかそういう熱さが似合わない時代なので、多分この作品を面白いと感じる人は少ないと思いますし、あえて読んでほしいとも思わないのですが、島本先生には引き続きわたしのような者を熱くみちびく作品を著し続けてほしいと心から願っています。サインください!!!

魔境斬刻録 隣り合わせの灰と青春

長い時を経て #1巻応援

魔境斬刻録 隣り合わせの灰と青春
ナベテツ
ナベテツ

原作小説を読んだのは中学生の頃、近所の図書館で借りたことがきっかけでした。30年後にこの作品がコミカライズされると聞かされたら、少年はどんな感想を抱いたのでしょうか。 ドラクエなどのRPGに多大な影響を与えたウィザードリィ。死亡したキャラの蘇生に失敗すると灰になり消滅してしまうというシビアな設定が、この世界を伝える物語のタイトルとなり、やがてコミックへと転生を遂げました。 版権の都合で、ウィザードリィの固有名詞は一切使えず、アイテムや呪文、固有のモンスター名などは全て変わっています(ガディは原作よりだいぶおっとりしてる気もします)し、気を抜くと先の展開のネタばらしをしてしまいそうになりますし、ここでもなるべく注意をして言葉を選びたいと思います。 昭和~平成のファンタジーのコミックも好きなタイトルはあります。ただ、令和に描かれるとやはり迫力が違うなあと感心しますし、(物語を既に知っているとはいえ)迷宮での冒険がどのように描かれるのか、展開を楽しみにしています。ペース的に、原作を描ききるには相応の話数が必要だとは思います(稲田先生はかなり丁寧にストーリーを紡いでいますし、連載の継続の一助にでもなれば、との思いでこの口コミを投稿しています)。 魅力的なキャラはこれからも沢山登場しますし、日本のファンタジーの金字塔として語り継がれるベニー松山さんの傑作を、1人でも多くの人に知って貰えれば(原作小説、紙だと高騰してるんですよねえ。電子で簡単に買えるんでまあ良い時代になったなあと思います)。 続編の「風よ、龍に届いているか」や外伝の「不死王」もコミカライズされて欲しいもんだと、古いオタクは願ってます(不死王はKindleで100円ですからほんと良い時代です。一応紙でも持ってます)。

機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還

幻獣達の物語

機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
ナベテツ
ナベテツ

ジョニー・ライデンという名前を知ったのは、テレビのガンプラのCMでした。アニメには出ない、設定先行のキャラであり、知名度と実像が一致しない、謎めいた呪文のような存在でした。 ガンダムを下敷きにしたアンソロジーなどでその姿を描かれることがあり、短編は幾つか持っていますが、26巻ものサーガになるとは思ってもみませんでした(沖一さんの短編集が佳作であると思います)。 一年戦争の最中、エースパイロットを集めたジオンのキマイラ大隊。多くの謎を残したまま闇に消えた「幻獣」。エース達を率いたジョニーに関しても、様々な噂が錯綜しており、それが様々なジョニー像の由縁であると作中で語られます(この辺がアークさんの作劇の巧みなところだと思います)。 作中はZZから逆シャアの間の時期であり、他の 作品で語られて来なかった空白の時代でした。制約のある中、過去作の登場人物やMSを絡め、先行作品へのオマージュやアークさんの過去の作品との関連性もあり、宇宙世紀に描かれた新たな歴史の一篇として、この作品の完結を祝いたいと思います。宇宙世紀の物語を知らない人にはちと勧め辛い作品ではありますが、戦闘シーンの格好良さも含め、ガンダム好きに勧めたい名作です。

がんばりょんかぁ、マサコちゃん

誠実な官僚と陥穽 #1巻応援

がんばりょんかぁ、マサコちゃん
ナベテツ
ナベテツ

以前に赤木雅子さんと相沢冬樹さんのノンフィクションを読んでおり、連載が始まったと知った時、単行本を楽しみにしていました(確か6月くらいに発売予定が出たので、伸びたのにやきもきしていました) 流石に森友事件を知らない人はいないと思いますが、幸福な夫婦を襲った不幸な事件であることは、論を俟たないところです。 赤木さんという人は、官僚として誠実に職務を果たそうとした人でした。本来の官僚というのは全体への奉仕者であり、特定の人間への利益を優先させるようなことを許容することは自己の存在を否定する事になります。己の職務が犯罪へと繋がるとなれば、官僚でなくとも耐え難いことでしょう。まして、仕事にプライドを持つ人であれば、その苦痛からの解放のために「最後の手段」を用いてしまったことへ何か言うことは出来ないと想像します。 ただ、遺された家族は違います。誠実に生きた人生に何が起きたのか、その事を知り、故人の名誉や尊厳を取り返す権利があります。たとえそれが権力者にとって不都合な出来事であったとしても。 この物語は、遺された妻の戦いの物語です。これからどれほど険しい旅路が待つのか、読者はただ見守るとしかできません。でもささやかながら、マサコちゃんへエールを送れればと思います。

1978年のまんが虫

まだサブカルという言葉も無い時代に#1巻応援

1978年のまんが虫
ナベテツ
ナベテツ

若くして成功を収めた作家に対して、その才能を讃えたり、羨望の眼差しで見つめても、その労苦へと想像力の翼を伸ばすことは難しいのではないかと思います。 作品がヒットして経済的な成功を得たとしても、その裏でどのような苦労を抱えたり葛藤を抱いているのか、受け手が知ることは叶いません。勿論、クリエイターに己の事情を明かす義務は存在しませんし、秘すべき事柄であるのかもしれません。 ただ、どれほどの才能を持っていても、彼ら彼女らも人間です。嬉しいことがあれば喜び、悲しいことには涙する。そんな素顔が垣間見えることが、漫画家マンガというジャンルの魅力の一つなのではないかと思います。 この作品は細野不二彦先生(作中では細納不二夫)がデビューに至る迄の物語です。進路に迷い、不確かな未来への夢と現実との間に揺れるその様は、多くの人々と変わらない、等身大の青年の姿です。 一人の青年の青春譜は、その時代を瑞々しく描いており、当時の世相を知ることが出来る一級品の資料としての価値もあると断言します(ヤマトからガンダムへの間を知ることが出来る作品を、自分は寡聞にして知りません)。 同級生の天才達(河森正治さんと美樹本晴彦さん)やトップランナー(高千穂遥さんや宮武一貴さん達)との交流は、自分の知らなかったことでしたし、日本のサブカルの歴史のページとして広く知られ、読まれて欲しいと願う作品でした。長々と書いてきましたが、シンプルに面白い作品なので、まずは試し読みから是非。

ぎゃっきょうないん
逆境ナイン 1巻
逆境ナイン 2巻
逆境ナイン(3)
逆境ナイン(4)
逆境ナイン(5)
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愛蔵版 スカルマン

愛蔵版 スカルマン

島本和彦が描く石ノ森ヒーローが復活! 石ノ森章太郎の読み切り作品の続編として島本和彦が描いた『スカルマン』を愛蔵版全3巻で刊行。描き下ろしカバーイラストはもちろん、雑誌掲載時のカラーを再現。1巻と3巻には描き下ろしエッセイマンガも収録!

仮面ボクサー 島本和彦漫画全集

仮面ボクサー 島本和彦漫画全集

島本和彦が「炎の転校生」連載終了以降新しい境地にやっと達したという記念的作品。ここから次作の「逆境ナイン」につながっていきます。 ストーリーは、ボクシング界に突如現れた「マスクをかぶった怪人ボクサー」軍団。彼らがボクシング界を人気、実力ともに総なめにしようとしている、そんなスポーツ界の大ピンチに突如現れたこれも「仮面をかぶったヒーローボクサー」。 伝説の月刊誌「ヤングキャプテン(徳間書店)」に鳴り物入りで連載されたこの作品は雑誌の休刊に伴ってわずか3話までで終了。が、編集者ササキバラゴウ氏の厚意により最終回を100ページ以上新たに書き足してコミックス化にこぎつける。こぎつけたのはいいが当の島本和彦が完全に自信を無くし、100ページの半分描いた時点で筆が止まってしまう。島本曰く「本人が立ち上がれないのにキャラクターだけが立ち上がって勝つのは嘘だ!だから俺は描かん!!」困り果てる編集のササキバラゴウ氏‼! さあそこからどういう風に島本が後半の「主人公が立ち直って勝利のために戦う」場面を描くまでにこぎつけるのか(これはあとがき漫画+あとがきで詳しく書いてある)‼ 作者(島本)も本編の主人公「拳(こぶし)三四郎」も追い詰められたあげくに最終回に奇跡的な立ち上がりを見せるという伝説の実況的漫画作品。 巻末には「島本がこれ以上は自分が立ち直るまで書けませんと、逃げ出したところで終わっている当時のネーム」を収録(笑)‼本編とかなりニュアンスの違う「告白シーン」も入っています!

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吼えろペンRRR

吼えろペンRRR

伝説のマンガ家・炎尾燃、ここに完全復活! 嵐を呼ぶマンガ家・炎尾燃がまたまた帰ってきた! 日夜命がけで原稿と格闘していたのは過去の話…… 今や原稿以外に家業とも格闘する、マンガ家兼経営者の半実録一代記! 超豪華ゲストマンガ家多数登場! Twitterや各ニュースサイトでも話題になった作者経営の書店閉店エピソードは必見! さらに炎尾がTVのバラエティー番組に出演!? ライバルは人気お笑い芸人たち!!!! マンガ家が放つ渾身のネタはテレビ業界に通用するのか!? 島本和彦が画業40周年に贈る渾身のリアル漫画家フィクション!! お待たせしました第1集!!

ウルトラマンG

ウルトラマンG

島本和彦が放つ、炎のウルトラマン!! 「勝てなくては、意味はない!たとえ命を失ってもだ!」熱血漫画家、島本和彦が「テレビマガジン(講談社)」に1990年10月号~1991年11月号まで連載した『ウルトラマンG』が26年の時を超え、新装版で復活!傷つき倒れても何度でも立ち上がるヒーローの姿に、あなたのファイティングスピリットは激しく揺さぶられるだろう!! カバーイラストは今回の新装版のためだけの描き下ろしです。

無謀キャプテン

無謀キャプテン

ここに復活!主人公堀田戌傑は自らの意志で墓穴を掘る男。彼は言う。「自分の墓穴くらい自分で掘れなくてどうする!?」男ならば、たとえそれが自分の墓穴であっても掘らねばならない時がある。それをとびこえてこそ真の男ではないのか。かつてのコミックスには未収録だった、第0話も今回は同時収録。

試し読み
アオイホノオ

アオイホノオ

時は1980年代初頭――漫画・アニメ界に新たなムーブメントが起き始めようとしていた熱い時代。近い将来ひとかどの漫画家になってやろうと、もくろむひとりの男がいた。男の名は、焔燃(ホノオモユル)。しかし、野望ばかりでまだ何も具体的には動いていなくて…!?熱き野望と空回りの毎日に苦悶する、熱血芸大生の七転八倒青春エレジー!!

吼えろペン

吼えろペン

東京近郊のレンタルビデオ・CD店の2階にある、(株)炎プロダクション。そこではひとりの熱血漫画家が、日夜命がけで原稿と格闘していた。彼はこれまで、締切りに間に合わないという弱音を吐いたことは1度もなかったのだが…。決して妥協を許さない大熱血漫画家・炎尾燃は、今日も作品のため燃えに燃えまくる!超熱血&爆笑の、半実録マンガ家一代記。伝説の名作『燃えよペン』の魂を継ぐ勇者たちが、ここに集う!!

新吼えろペン

新吼えろペン

決して妥協を許さない、あの大熱血漫画家・炎尾燃が帰ってきた!燃が10年前に描いた作品『ワイルド・ピッチ』が、『逆上ナイン』というタイトルで実写映画化されることになった。しかも監督は、いま日本で一番勢いがあると評判の弾Aイチロー。心弾む燃はさっそくロケ地を訪れるが、ついつい出演者の演技に口を出してしまい、弾監督と衝突してしまう…。リアルとフィクションの狭間に生まれた、衝撃のマンガ家半実録一代記!!

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