井の中の蛙
僕の通っていた、田舎の学校は学級新聞というもの自体がなく、そこに生徒が漫画を投稿できるという懐の深さもなかったのですが、絵の上手い子はジャポニカの自由帳(表紙が虫とかのやつ)で漫画を描いていたな。 漫画描かせたら1番の子がいきなり、自分より上手な人が現れて負けじと頑張るが・・・という話で、大人の社会にもある話。 自分よりも優秀な人が現れて、切磋琢磨するか?諦めるか? あなたはどちらですか?
学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられるが…!?
原稿に向かう藤野の背中のコマが印象的。このコマを描いたのは藤野の背中を見ていた京本なのか、それとも京本の視線を背負っていた藤野なのか考えてしまった。どちらのつもりで描いたのか藤本先生に聞いてみたい。
あの時こうしていればという瞬間があったとしても、避けられた悲劇があったとしても、自分が選んだ道に間違いはないんだと。見ていた背中に間違いはないんだと、過ごしてきた時間に間違いはないんだと教えてくれるような作品だった。
藤野の描いた4コマがちゃんとめちゃくちゃ面白いのが凄い。これを見て笑ってる京本の顔を想像してちょっとだけ泣いた。