「働く」とは
この作者のかたの読切は公開されているものはひととおり読んでますが、このゆっくりと、しかし確実に核の部分に何かを突き刺してくる感覚がたまらなく好きです。 今作の主人公は心情の部分があまり詳細に描かれないので何を考えているのかわからないんだけど、こうしないと生きていけないのかなーとか考えたりしました。
▼第1話/錫色の国 ▼第2話/瑠璃(るり)色の家(前編) ▼第3話/瑠璃(るり)色の家(後編) ▼第4話/山吹色の箱 ▼第5話/赤紅色の車 ▼第6話/若苗色の風呂敷 ▼第7話/浅葱色の風景 ▼第8話/胡粉(ごふん)色の嘘 ▼おまけ ●主な登場人物/蘇芳鉄(「うごかし屋」の二代目社長。読書が好き) ●あらすじ/とある町の鉄工所が、不景気のため規模を縮小して、地方へ移るという。引っ越しを担当するのは「うごかし屋」という名前の業者。うごかし屋はさっそく工場から取り掛かろうと準備を始めるが、鉄工所の社長・山田が、急遽工場の移転は中止し、廃業すると言い出した。それを聞いた、うごかし屋の社長・蘇芳鉄は、工場を見せて欲しいと言い出して…(第1話)。 ●本巻の特徴/新居購入、就職、転勤、進学、結婚、別居、独立、開業、転地療養、夜逃げ…… 様々なカタチの「ひっこし」がある。物だけでなく大切な何かを「うごかす」、ちょっと変わった引っ越し屋物語、開幕!! ●その他の登場人物/花田(「うごかし屋」の従業員で運転手。女好き)、東雲(=しののめ。「うごかし屋」の従業員。道路に詳しい)、真朱(=まそほ。「うごかし屋」の女子高生従業員。力持ち)
連載中に読んでいたが久しぶりに単行本で読み返した。改めて読み返すと同じ芳崎せいむ「テレキネシス 山手テレビキネマ室」に近く映画ではなく、本と物語が絡んで進む。連載時は怪力の女の子がもっと活躍していた気がするがそうでももなかった。一番心に残った話は、本を収集している男性が病気をして本の置き場などで揉めて最終的には寄贈するが男性は最後のページで本屋に向かうというちょっと俺の未来っぽいなと思わせる良い内容だった。部屋に本が大量にあるので売りに行ったが、売った本と同じ数ぐらい買って帰ることがある俺には他人事ではない