工業用ロボットの旅の物語
工業用ロボットが好奇心旺盛な少年少女と接触して自我に目覚め、孤独な旅に出る物語です。 その過程で様々な出会いと別れが生じ、世界に奇蹟と恐怖を撒き散らします。 絵だけを見ると、この作品はホラーなのかな?と思うけど、 ストーリーを追っていくと、高度成長期のオートシステム化の始まりで、それに伴う人間の戸惑いと葛藤を描いていくのか? 横図先生らしい作品です。
モネ「つみわら」の真作がギャラリーフェイクにあると聞いた代議士・梶が、フジタを訪ねてきた。表向きは贋作専門の画廊オーナー、だがフジタが美術界のブラックマーケットにも通じているとの噂を知る梶は、結局50億で絵を買い取ることに。そこに商談の様子を伺っていた学芸員・酒井が現れ、梶に絵を売らないよう懇願するが…(第1話)。
巻数が長く、内容も濃密なギャラリーフェイクですが、この一冊で全体像が掴めると思うので未読の人でも取っ付き易いかと。
はじめは連載第一話目から始まります。作画に少し違和感ありますが、以降はどれもハズレなしの珠玉エピソードばかり。個人的には「TIN TOY刑事」が特にお気に入りで、何某かのコレクターを自負するすべての人に読んでほしいエピソードです。
単行本未収録エピソードだった「忘れられた一夜」の回は、現在は33巻に収録済みとなっています。この回だけは本編を一通り読んでからの方が良いです。