最高の解像度と最低の後味
すごく楽しみにしてた読切。 期待通り、いや期待以上にしっかり抉られました。最低な後味が残る、最高の作品です。 婚約者の兄と浮気をしている割に、まともな倫理観を持ち合わせている主人公。弟の死に涙を流したかと思ったら、薄ら笑いで主人公との関係を続けようとする義兄。 最低の振りかざし方の対比がものすごく生々しい。さりげない描写の解像度が高すぎる。 肩に触れようとする義兄の手を避ける描写、シートベルトに体が引き戻される描写、最後の表情。 終始まとわりつく気持ち悪さ、居心地の悪さ。読み終えても、読み返してもいつまでも消えない後味の悪さ。 間違いなく、人の心に残る作品です。 「ギャルと恐竜でおなじみの森もり子先生がジャンププラスで読切」という先入観をしっかり持って読んだら、もっと大ダメージを食らえたのかもしれません。 これから読むひとはぜひ先入観を捨てずに読んで大怪我してほしいです。 大怪我したら「さよなら、ハイスクール」も読みましょう。そして再び解像度の高さに悶絶しましょう。
ジャンププラス開いてたまげたのがこれ。ギャルと恐竜の森もり子先生がジャンプラでしかも浮気モノを…!?と衝撃だったけど、読み終わったときに『最低』というタイトルがズーンと効いてくる最高の読み切りだった。
アキラの兄と浮気したことも。
アキラが死んだとき2人でラブホにいたことも。
お葬式にいたくないと思ったことも。
アキラが死んでホッとしたことも。
カヨのやったことは本当に最低なんだけど、行動や感情がいちいち全部生々しくてなぜか共感してしまう。
特に泣いてる兄貴から甘えられそうになって思わず体を引いて逃げるところ。カヨは浮気してたけど別に兄貴のことが好きだったわけでもなんでもないのがわかる仕草であまりのリアルさにゾクッとした。
「結婚に乗り気でないまともな倫理観を持った人間がなんとなく浮気したらこうなった」というIFを描いているようで本当に面白かった。
これをジャンプラに載せる時代なんだなぁ…! すごい。