重さと軽さが同居する、命の話
大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。
子供の頃の、些細ではあるけど大人になっても決して消えない心残りってある。大抵の場合は、死ぬまでそのままか、自然消滅するかだろうけど、この話ではちゃんと決着がつくところがものすごく気持ちいいし、感動した。
言葉の通じない異国の人間に親身になることって結構難しい。どうしても子供に対する態度みたいになってしまいがちで、相手の人となりを知るに至るまではかなりの時間が必要。
出会ってからたった4ヶ月で、友達といえるのかも微妙な関係のまま別れることとなってしまったウィリアムとノゾム。大人になってから再会したとき、当時は見えなかった(見ないようにしていた)事実を知ることに…という話でした。再会によってあの一緒にゲームしたりした短い日々が宝物に変わったんだと思うと、泣けます。