地球儀
この漫画、なんと冒頭に地球儀が出てくる。ギリシャの哲学者で地球が丸いことを証明したアリストテレスが、地球儀をエウメネスに見せていたのだ。アリストテレスは、数学者が「40万スタディア」と算出したことを述べた後で、「私はもっと小さいのではないかと考えている」と述べた。 ちょっとおかしな話で、いま知られているのは、地球の大きさを初めて測定した人物は紀元前275年生まれのエラトステネスと言われている。アリストテレスは紀元前384年生まれで、100年以上早い。つまり、エラトステネスより前に算出した人がいることになる。また、エラトステネスの算出した値は約25万スタディオンで、値も大きく異なる。地球儀についても、紀元前150年前後に作られたものが最古と考えられており、アリストテレスよりもずっと後のことである。おそらく漫画上の演出であろうし、バルバロイであるエウメネスの有能ぶりを示すことに成功している。
子供の頃の、些細ではあるけど大人になっても決して消えない心残りってある。大抵の場合は、死ぬまでそのままか、自然消滅するかだろうけど、この話ではちゃんと決着がつくところがものすごく気持ちいいし、感動した。
言葉の通じない異国の人間に親身になることって結構難しい。どうしても子供に対する態度みたいになってしまいがちで、相手の人となりを知るに至るまではかなりの時間が必要。
出会ってからたった4ヶ月で、友達といえるのかも微妙な関係のまま別れることとなってしまったウィリアムとノゾム。大人になってから再会したとき、当時は見えなかった(見ないようにしていた)事実を知ることに…という話でした。再会によってあの一緒にゲームしたりした短い日々が宝物に変わったんだと思うと、泣けます。