僕のジル

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優しくて悲しくて痛くて甘くて、鍵のかかる箱に入れてそっとしまって置きたくなるような作品でした。
トーチwebでは『僕のジル』と『君はそれでも優しかった』の2作が公開されています(20.11.05現在)。
どちらもユニコーンやグリフィン、ピポグリフといった伝説の生き物と人間による物語が描かれています。
自分以外のなにものかに対して、側にいたいとか優しくしたいというのは人間の身勝手な感情なのでしょうか。自分が傷つきたくないから、寂しくなりたくないから、愛するという言葉を使って行動するのかもしれません。
人間が作り出したものならどうなるのでしょう。教育された優しさは本当の優しさとは異なるのでしょうか。
自然に生まれ出づるものだけが真実だとしたら、ひどく人道的に道徳的に産まれ落ち、十分な教育を受けて生きてきた私たちは作られたものなのかもしれません。
愛って何なんでしょう。馬鹿みたいに泣きたくなりました。
でも、悲しいだけの物語ではありません。愛に満ちた悲しくも優しい物語です。

作品集、手元に置いておきたい。優しさも悲しさも忘れないように、鍵はかけずにしまっておきたいです。

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