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かなり初期の作品のようです。とても面白かった。以前に吉野朔実先生の違う作品を読んだ時にとても難解だった印象があったのですが、この作品は大学生の青春がベースにあるので親しみやすくてスラスラと一気に読み終えてしまいました。あらすじにすると主人公は2個下の弟くらいしか心開ける相手がいない内気な女の子で、仲良しの弟がせっかく自分と同じ大学に合格したのに寮に入ることが不満だったんだけど、その寮に出入りするようになってから友達も出来るようになって世界が広がっていく、けれども恋人に婚約者が現れてから初めて感じる自分の嫉妬心に戸惑うようになる…。単純に言ってしまうと恋の三角関係の話なんですが、人間の内面の掘り下げが深いのでモノローグの一言ひとことも噛み締めたくなる深さでした。吉野朔実先生を理解するきっかけになりそうな作品です。