狼に育てられた少年が人を斬って斬って斬りまくる #1巻応援にコメントする
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九国のジュウシ

戦国時代終盤、九州で狼小僧が大暴れ

九国のジュウシ 西公平
さいろく
さいろく

狼に育てられる、という点もそうだがこの時代ってまだニホンオオカミいたんだっ、九州に。(どうやら明治以前には本州・四国・九州に普通にいたようでした)というとこでへぇ〜と思ってしまった。 九国(くこく)が今の九州とは違う分かれ方をしていた戦国時代末期、島津と大友の争いにおいてはキリシタンに狂った大友宗麟が色々と奇天烈なエピソードを残していてどれが本当かわからなかったりする。 そんな大友宗麟の家臣(庶流)として有名なのは立花道雪。立花道雪と協力し、当時まさに鬼神の如く九州を下から平らげようとしていた島津を抑えるべく奮起し、歴史に残る戦いを見せたのが高橋紹運&その息子であり立花道雪の婿養子となった立花宗茂の親子である。 これを「岩屋城の戦い」と言います。 本作はこの岩屋城の戦いにおいて高橋紹運という男、そしてその息子、さらにはここに「いたのではないか」と言う"人外"を描いた物語。 タイトル、表紙からも当然主人公は狼小僧だと思って見てしまうがその実、本当の主役は高橋紹運という男。 というわけで、完結記念でクチコミを。 めちゃくちゃ好きな作品でした。各大名を好きだとより一層楽しめるでしょう。なにより、立花道雪がかっこよすぎて目頭が熱くなります。紹運も飄々としてるように見せていて長は、親は大変なんだなと。 大友宗麟のヤバい雰囲気もまるでへうげもののようでインパクト大。 淡々と進むところに惜しさも感じつつ、これはこれですごくいい味なんじゃないかとも思う。

この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもあえて女性のリアルな部分を描きすぎない選択をしたのは、原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

くこくのじゅうし
九国のジュウシ 第1巻
九国のジュウシ 第2巻
九国のジュウシ 第3巻
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