時は戦国、筑前国。戦の歴史の中でも、もっとも激しく凄惨な寡戦(※)があった。【岩屋城の戦い】――。大友家家臣・高橋紹運率いる軍勢は700余に対し、対する島津軍は5万。この戦いで高橋軍は圧倒的少数関わらず、2週間もの長きに渡り籠城戦を繰り広げたと言われている。その立役者こそ本作の主人公、十四郎(じゅうしろう)。彼は森の中で狼に育てられた野生児である。紹運と十四郎の出会いを描く第1巻。十四郎は戦のある度、戦場に赴いた。母である狼の食料としてズバ抜けた強さで兵を蹂躙し、その死体を持ち帰るためである。高橋紹運はその強さを買って自らの陣営に引き入れようと画策するが――。【岩屋城の戦い】でなぜ高橋軍は島津軍と対等に渡り合えたのか。その答えに新しい言説を投げかける、作者の意欲作。(※)少数の兵で多数の兵と戦う戦のこと
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狼の母に育てられた少年が主人公。人を斬ることに抵抗がないような野生児ですが殺しの腕は抜群で、老いた母のエサにする死体を探す為に出かけた戦場で将軍に認められ同盟を結ぶことになる程です。この二人の関係は後の「岩屋城の戦い」に繋がります。初めて知ったのですが戦国時代でも最も激しい寡戦(700対50000!!!!)の一つと言われているそうです。第1巻でも人を斬りまくって死体がゴロゴロ出てきますが、絵力は強いのに全然怖くないし、笑える場面がたくさんあるのがいいです。さすがギャグ漫画家だと思いました。
私が笑ってしまったお気に入りの場面は、将軍の息子が落ち込んだ時に主人公の母である狼を見ることで癒されてたアニマルセラピーの場面と、その母が亡くなった時にたくさんの花と一緒にエサにするはずだった人間の頭や腕を埋葬している場面です。特に最後は残酷なのに笑っちゃう名場面だと思います。