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殺人犯の正体

正体は言い過ぎ

殺人犯の正体 鍋島雅治 岩田和久
hysysk
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実際にあった残虐な事件の内容や、それに至る流れが描かれている。正体と言うのであれば事件前後の部分にもっと焦点を当てて欲しかった。情状酌量の余地がない犯人もいれば、社会の構造が生み出したとも思える犯人もいて、やり切れない気持ちになる。 第一話の一家支配解体殺人事件は『闇金ウシジマくん』の「洗脳くん」編のモデルにもなった事件。これと第二話の愛犬家連続殺人事件に関しては巻き込まれて加害者側になってしまった人が不幸過ぎる。とにかく悪い人間に目をつけられると自分も加害者になってしまう可能性があると思うと怖い。道徳だけではどうにもできない。 第八話のホームレス襲撃事件もひどい話だが、これだけで「今そうした子どもたちが確実に増殖している」という結論になるのは違和感を覚えた(ここ20年くらいで少年犯罪の件数も率も減っている)。 事件がきっかけで法律が変わったほどの話もあり、良くも悪くも人間の想像力の限界を突きつけられる。しかし法律が整ったとしても社会が自動的に規律正しくなる訳ではないし、監視を強めたり、ましてや犯罪を起こしそうな人間を排除することは解決ではないだろう。読後感は悪いが、人間がここまで酷くなれてしまうこと、一体社会がどうなっていれば止められたのかなど、考えるきっかけになると思う。

魔界転生

聞いて驚け、読んで奮え、これ日本漫画界随一の傑作、連載じゃない、綺麗に完結、描き下ろし

魔界転生
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)

ジェロニモとの戦闘開始をラストに置く打ち切り漫画染みた構成だがこの『魔界転生』はレビューのタイトル通り単行本描き下ろしでの発表だったので連載の過程でここに着地した訳じゃなく二人の決着が分からない結末としてあえて描かれている事に注目すべきかと思う。 実際、物語の中で魔界衆と十兵衛との闘いの決着はついている様なもの。剣の為に生きる余り魔道に堕落したかつての憧れ宮本武蔵を喝破し死者も聖者も兼ね備える大天使として復活し弔いの旅を続ける十兵衛に比べれば己の力のみを欲して悪魔に身を売る魔界衆も矮小に過ぎない。詰り、他の人も言っていたと思うがジェロニモと十兵衛との闘いは(少なくとも人格の上では)決着がついている。 然し、その勝負は描かれず終結する。それはなぜか? 蓋し、幾ら人格的には十兵衛に及ばないと言えども能力、武力が底知れない事にならないとそれはそれで楽しくないからじゃないか?それに、十兵衛が尊いのは常に戦い続けるからで、常に挑戦を続けるにはやっぱり敵が天井知らずに強いに限る。この漫画のラストはそういうワクワクと予定調和的な精神性の両立としてやっぱり優れていると思う。 石川賢は大変アクション描写にすぐれた漫画家だが、彼の常に動き続けるアクションの思考はこういう形で物語にも表れており、裏打ちされてるからより魅力的なんじゃないかなと思った次第です。

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