小気味良くて耽美でほんの少しシリアス……これは名作だわ
初めて読んだ魔夜峰央作品。想像してたより全く癖がないうえに、「昔の作品だからそういうとこあるよね…」という忖度を全く必要としない、リアルガチで今読んでも本当に面白い漫画ですごい。 パタリロがボケを重ねまくりそれにバンコランが律儀に突っ込むという軽妙なテンポが最高に心地いい……!しかもそのボケが超シンプルでくだらないとこがまた緩くて好き。 地味にびっくりしたのがロンドンからストーリーが始まるところ。そんなお洒落でグローバルな場所で物語が繰り広げられていたとは知らなかった。 あとソッコーで人死にが出るとこ。ループ日常系ギャグかと思ったらそうじゃないのか……。 そしてなにより、美少年殺し・バンコランとその周りの美少年たちの絡みという、本来強烈なボケに当たる部分に一切突っ込みが入らずスルーされてるところが、逆にメチャクチャ今っぽいな〜と思った。他人の性的指向にあえて触れる必要もないしそこをわざわざ弄る必要もないという意味でも、「ボケに突っ込まずボケを重ねていく」という笑いのスタイル的な意味でも今っぽくてスルスル読める。 ほんと読めば読むほど、パタリロ陛下の可愛らしいご尊顔としょーもないボケが癖になるしメッチャ癒される!名作です。 (▽1巻より。陛下のプレシャスなボケ)
古い記憶になるので暖味な部分もありますが、
昭和の時代には
少年漫画は少年が読むもの、
少女漫画は少女が読むもの、
という感じの、確実にして高い壁が少年少女漫画の
間には存在していたと思うのです。
今ではそれほどでもないのかもしれませんが。
ましてBL漫画なんて絶対に少年は読まないし、
少女だって表立っては読めない時代だったと思います。
にもかかわらずというか、そんな時代にそんな壁を飛び越えて
「パタリロって漫画は凄く面白いぞ」
という情報が、少年漫画しか読んでいない少年どもに
まるで共産主義社会に漏れ伝わってくる自由主義社会の
情報の如く雪崩れ込んできたのですよ、そのころ(笑)。
面白かったですねえ、ホントに。
高飛車な言い方をさせてもらえるならば、当時は
「少女漫画も面白いんだな」と感じました。
なので
>>普通の少女漫画にはない感じ
というコメントを読んで、
あ、パタリロって当時の少女漫画の世界でも普通ではなかったんだ、
と今更ながらにわかって、微妙な気持ちですね(笑)。