「絵ェかわい〜〜〜〜!!!キレェ〜〜〜〜!!!(美!!!)」っていうのが第一印象でした。とにかくいい百合に言葉は不要。まずは味わおうな。

ヤンチャ系のスンジンがおとなしいチウトンに一目惚れするというド真ん中のガール・ミーツ・ガール。青春の甘さやドキドキがかわいいエピソードを積み重ねて彩られていきます。
ふたりの関係を中心に、周囲の友人のキャラも少しずつ掘り下げられていく流れは『ホリミヤ』っぽさもあったりして、日本のWebコミック文化に親しんでる人ならかなり好きなのではないでしょうか。
ちなみに原作は縦読みコミックっぽいので、書籍では4コマみたいな読感になるのが話の雰囲気にもマッチしてると思います。

中国・百合という話になると、陸秋槎先生が日本の作品からの影響や、中国の百合事情、「重百合/軽百合」の概念などを語られていたのが記憶に新しいですね。本作は軽百合でしょうか。参考リンク貼っておきます。

  この秋、ハヤカワ・ミステリより青春本格ミステリー「雪が白いとき、かつそのときに限り」が翻訳刊行された。2018年末のベストテン企画を席捲し、大いに話題となった『元年春之祭』著者、陸秋槎さんによる待望の長篇第2作である。 &nb

いずれにしても海外の百合文化圏からこのようなマンガが届けられたのは大変喜ばしいことに思えます。もっと来てくれ〜〜〜!

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エロイーズ 本当のワタシを探して

物語の始まりのシーンが好き

エロイーズ 本当のワタシを探して
ANAGUMA
ANAGUMA

本作、ベンチに座っていたエロイーズがふと記憶喪失になっていたことに気付くシーンから始まるのですが、その自然さがなんだか巧みで、ピンク色のカラートーンとともに強く印象に残っています。 メインとなるストーリーラインはサブタイトルにもある「本当のワタシ」探し。 少ない手がかりを元に記憶を失う前の自分がどんな人間だったのかを調べていく…と書くと壮大なミステリーやサスペンスのようでもありますが、そうそう大変なことが起こるわけでもないのが人生というものかもしれません。 どこにでも居る女性だった(と思われる)エロイーズ・パンソンの身の回りも、世の人のご多分に漏れずありふれた出来事ばかりだったようで、一生懸命過去の自分の身辺調査を行うほどに些細でちっぽけなことばかりが判明していきます。そのようすは親近感やおかしみと同時に、どこか空虚さというか、切なさも感じさせたり…。 「記憶を失う前の自分ってどんな人間だった?」というのを入り口に「そもそも根本的に自分ってどんな人間なんだろう?」という二重の意味で「本当のワタシ」を探すことになるのが妙味です。 そんな深いテーマもありつつ、バンドデシネとしてはかなり読みやすい部類に入ると思います。エロイーズのちょっとした仕草がどれもかわいかったり、普段縁遠いフランスでの「フツーの」暮らしが垣間見えるだけでも面白いので、読む機会があれば気軽に手に取ってみてほしい一作です。

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