気づかないまま生きていけたら
華奢な少女をデッサンする先生、という甘美な響きから想像するものとはかけ離れた作品だった。 マオはとても華奢な女の子。母親からほとんど放置され、貧乏で不健康な暮らしをしている。 先生はマオの体を褒め、ヌードモデルになることを持ちかける。マオは先生の家へ通い、お風呂に入り食事をし健康な生活をおくるようになる。 めでたしめでたし。とはいかない。 マオは自分の境遇について何も気づいていないように見える。 母親の気持ちにも、先生の気持ちにも、友達の気持ちにも何も気づかない。まっさらで何も知らないということは、マオにとって救いなのだろうか。 失って、過ぎ去って、はじめて気づいたとき、マオは華奢な体のまま生きていけるのだろうか。 大人になるためのイニシエーションにしては、切ない結末だと思った。
作者さんの新作楽しみです!
5/15掲載!
https://twitter.com/mogra16/status/1260054696485466113?s=21