美しくも歪んだ大正恋愛もの
小説「金魚撩乱」のコミカライズ。 サイコミで前に連載され最近再配信されたのでまた読んだけど、すごく妖艶で歪んでて美しい物語だと改めて思いました。表紙から分かる通り絵がめちゃくちゃ耽美で優雅。けど今っぽくて読みやすい。真佐子が本当に美しくて目を奪われる。復一と同じように囚われてしまう。 時代的な問題とか生き辛さとか皆それぞれ抱えていて、読んでて苦しくもなる。日野には特に感情移入してしまう…。 オチ最高でした。いや最初から最後までずっと最高でした。本当に好きな作品。ヨシカズ先生の絵がめちゃくちゃ好きになってしまったので他作品も読んでみたい。
名作文学作品のコミカライズで、流麗な絵で歪んだ愛が描かれるという意味では『ホーキーベカコン』に近い作品です。太陽の塔などで有名な岡本太郎の母親である岡本かの子の『金魚繚乱』が原作となっています。
中心となる人物が三者三様の歪み方をしており、その歪でありながらも切実な感情から生み出されるドラマが味わい深いです。
マンガ版ならではの絵の説得力を強く持たされているシーンがあり、狂おしい気持ちにさせられます。
単行本は今の所電子書籍のみでの販売となっていますが、サイコミで最新話まで読むこともできますのでまずは最初の数話だけでも読んでみて下さい。