自分に嘘をついてはいけない。
ひょんなことから自分の作品(自分では作品とさえ思ってない)が独り歩きして、やりたいこととずれたり周囲から過剰に期待されたりして、ドタバタする話。 嘘は心を殺します、のようなセリフがあり、ほんとにそうだよなと共感しました。仮病や忖度なんて誰しもしたことあると思いますが、人に対して嘘をつくと、その後の自分も引きずるし、嘘をついた相手の顔をまともに見れなくなるし、心は死に、孤独になっていくよなと。 が、本作の本質はそういう罪悪感的なことじゃないんだと最後まで読んで気付きました。むしろ自分に対して嘘をついている状態の方が苦しいということなのかなと。 沁みました。再読すると思います。 ネタバレにならないよう抽象的な物言いになりましたが、ぜひ読んで欲しいマンガです。
青春時代も過ぎて10年以上経つ者としては、この主人公の心情には恥ずかしさと痛々しさを感じてしまって、とくに主人公とヒロインが手をつないで学校からエスケープするオチなんて心がゾワゾワ〜〜っとしました。
ある意味、若気の至り的なものをちゃんと表現しているのかと。
ぜんぶ、この主人公の夢だったというオチなのでは?というほど眩しい青春を見せてもらいました。
前作の「ピカレスク」とはまた全然違う作品だったので、今後もいろんな作風を読んでみたい。