お兄ちゃんは今日も少し浮いてる
小学校3年生の妹、千春を甘やかせないように立派な大人になれるように、 お兄ちゃんは頑張っているのです。 千春が、生まれる前に両親から『お兄ちゃんになるんだからね。』と言われそれを全うするために、お兄ちゃんは頑張っているのです。 とっても、子供らしい千春が時折すごく難しい言葉を使ったり、がんばりやさんになったりするのは、お兄ちゃんが頑張っているからなのです。 ほのぼのして、ジーンとして、心が解けます。
月刊フラワーズの俊英・梅サトの新連載がついに単行本に! 大人気・不思議系兄妹ストーリー、待望の第一巻が発売!! 小学3年生の千春。お母さんはお弁当やさんで忙しいし、お父さんは単身赴任中。だから放課後は、なにかと口うるさいけどほんとは優しい“お兄ちゃん”と2人で過ごしているのです…。でも、お兄ちゃんの姿は、なんと千春にしか見えなくて…!? ちょっぴり変わった兄弟の、笑えて、そしてちょっぴり泣けるストーリー「兄ウキ」第一巻、登場です!
『緑の罪代』『妖怪村の三つ子たち』でその溢れる才気を見せてくれた梅サトさんの待望の新作です。
梅サトさんの作品は派手さはないものの、何気ない所作一つや言葉一つに胸の奥をきゅっと掴まれるような感覚になります。この『お兄ちゃんは今日も浮いてる』も例外ではありません。
主人公がクラスメイトにバカにされて学校に行きたくなくなった時、逆上がりができない悩み、単身赴任の親の不在に対する寂しさ、友達と共同で行う夏休みの宿題……。小学三年生の女の子の素朴な日常を通して、自分が子供だった時代の体験を想起し、重ね、感慨に耽ります。
そして、少し変わった所がある主人公の兄の存在。彼が妹を思い遣る気持ちの切実さは非常に強く、普遍的な家族愛の物語として受け止められ笑って泣ける作品です。