深夜ラジオを聴くことが趣味で、愛想のなさゆえ仕事に就けなかった主人公は、仕方なく伝手で紹介してもらった「エレガ(エレベーターガール)」として働いている。

…というこの設定だけで、主人公の置かれた苦痛がビリビリが伝わってくるのがすごい!

生来の愛想の無さにくわえ、寝不足で勤務態度は最悪。
フロアで船を漕いだりあくびしたり、サービス業の風上にも置けない。

おそらく毎日毎日「笑顔のなさ」を同僚から客から批判され、エレガとして自分の無能さを突きつけられてるから開き直ってるんだろうな〜と察した。
なによりむごいのが、やりたくてやってる仕事じゃないし、笑顔は苦手だけど、キラキラした「エレガ」そのものには淡い憧れをいだいるところ…地獄か。

随所に散りばめられた、ハレの日に訪れる昭和の百貨店のモダンさが、暗くて不気味な話を引き立ててたと思う。

「笑顔にする人形」のオチと、主人公の気質がうまく噛み合った面白い読切でした。
これから作者に注目していきたいです!

深夜ラジオを聴くことが趣味で、愛想のなさゆえ仕事に就けなかった主人公は、仕方なく伝手で紹介して...
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