「巨人の星」は野球漫画だが、
親子野球漫画でもあったと思う。
連載当時としても珍しかったであろう頑固親父の
父・一徹は息子・飛雄馬に有無を言わせずに
スパルタ特訓を課した。
漫画だからではあるが、普通は飛雄馬は体を壊すか
野球が嫌いになるか、下手すればその両方だ。
ダウトに登場するお父さんたちは、
もちろん星一徹タイプではない。
いかにもいまどきの父という感じだ。
子供に野球や練習を無理強いはしない。
もちろん怪我なんかさせたくない。
子供が野球が好きなら応援したい。
そういう普通の親で、だからこそ悩む。
監督が星一徹タイプの野球チームに
子供が入団して。
でもそれでいいのか、このままでいいのか、と。
監督やコーチの技術論や指導法や戦略。
親同士や子供同士の人間関係。
そして親子の関係。
とはいえ星一徹にはなれない。
割り切った行動を起こせない。
色々な疑問や危機感がつのり、
さらにあるキッカケでやっと行動を起こす。
それが普通というか、普通は結局なにも行動できない。
人間関係や技術論でなにが正解かわからなくて、
どうすればいいのか迷ってしまう。
星一徹が正しいとは思わないが、
ああいうふうにできたらな、と思ってしまいそう。
そんなお父さん達の葛藤が描かれている。
そういう意味でダウトは
良くも悪くも星一徹にはなれないリアルなお父さん達の
親子野球漫画だと思った。