この感覚はなんだろう

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志村貴子志村貴子の、この長編デビュー作を、単なるうだつの上がらない青春漫画として読むにはあまりに多くのクエスチョンマークが後にのこる。

この感覚はいったいなんだろう。コマを追いながら、ページをめくりながら、とにかく、異常な違和感がついて離れない。違和感がついて離れないというより、コマとコマの隙間、ページとページのあいだに大きな違和感の空洞があって、そこへ随時おちてゆくような感じとでもいうのだろうか。青春という名の、あの、どうにも言い表せない奇妙な時間がうまく表現されているために、こんな違和感をおぼえるのだろうか。

けっして、それだけではないような気がする。この漫画は、漫画と呼ぶにはあまりに構造がおかしい。なんだろう、この、いつも置いてきぼりをくらう感じは。こんなにも人を置いてきぼりにする漫画がかつてあっただろうか。コマは話の筋を追わず、読者をぽっかりとあいた空洞にいざなう。

そして『敷居の住人』という意味深なタイトル、まるであなたはこのコマから出られませんと言わんばかりに。

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