原点にして頂点の酒漫画
原点にして頂点という言葉をこの漫画に捧げたい!! 現代的なアイテムや背景が登場すればするほど、時代感のアップデートされなさが浮き彫りになっていく酒のほそ道。 楽しく美味しく呑めればいいじゃないかと言いながらもめんどくさい酒呑みばかりが登場し、でも結局みんな楽しければいいじゃないかというところに収束していく酒のほそ道。 アプデ前の人も後の人も、楽しくなるまで呑んで食べればそれでいいよね。自分がよければいいの極地がここにある。みんな自分勝手に楽しければいいんです! という空気感が絶妙に好きなんですよね。 めんどくさいこと言いながら、干渉し合っているよいでありながら自由に酒を楽しんでいる宗達がなんだかんだ好きなんだなあ。 自宅でつまみを作りながら酒を飲む回はレシピ漫画としても重宝するし、一人酒も飲み会もちょっといい店もいろんな酒の楽しみ方が学べる(?)のもいいところ。 時代に迎合することもなく、自分の信念を押し付けることもなく、適度にめんどくさいリアルなスタイルを貫いてくれる酒のほそ道が好きです。 誰よりもめんどくさいカスミちゃんがどんどん宗達に影響されてるのかわいい。めんどくさかわいい。
今回の焼き鳥ネタ、同じテーマでも他のグルメ漫画なら?
「串料理は1本の串の形で料理として完成するものなのだ」
とか語りそうなのが、美味しんぼ。
「そんなときにはこれだ」とかいいながら、
一口分の肉を爪楊枝で挿したミニ串を出しそうなのが、クッキングパパ。
「へへっ、わざわざ外さなくてもいいんだぜ」とか言いながら
茹でる前の固いスパゲッティで刺して焼いた、
好きなところで折って分けられる焼き鳥を披露するのが
スーパー食いしん坊。
キャッキャッと楽しそうに串を外して食べる女子会とかを横目に見ながら
「ああいう楽しみ方もあるか」と
ウーロン茶を飲みつつ食す、孤独のグルメ。
そして上記のすべての食い方を
「あれも美味そうだな」と全て試しながら飲んで
翌朝に宗達君が二日酔いになるのが酒のほそ道。