『制服ぬすまれた』 衿沢世衣子 モーニング2017年34号にコメントする
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制服ぬすまれた

この突拍子のなさを楽しむ

制服ぬすまれた 衿沢世衣子
影絵が趣味
影絵が趣味

個人的な衿沢世衣子との出会いは『コミックH』にて、原作:よしもとよしとも、作画:衿沢世衣子で発表された『ファミリー・アフェア』という漫画でした。話が好きなのはもちろんですが、コマのほとんどがアクションで構成されているような短編マンガとしては類い稀な躍動感にびっくりして、いまでも大好きなマンガのひとつにこの『ファミリー・アフェア』を挙げることがよくあります。 さて、このアクション的なコマ作りはよしもとよしともの資質でもあったわけですけど、当時のよしもとは衿沢世衣子にもこの資質を見出していたと思います。事実、のちに『ファミリー・アフェア』が収録されることになる単行本デビュー作の『おかえりピアニカ』は年頃の少年少女が描かれる青春群像のような体をなしているんですが、コマ作りはアクションそのものです。アックスでの連載になった『向こう町ガール八景』を経て、『シンプル ノット ローファー』ではアクションとともに絵柄も洗練されてきて、つぎの古地図というテーマを掲げた『ちづかマップ』でプチ・ブレイクを果たします。このテーマの新規性がウケたということがあると思うんですが、『ちづかマップ』においても屋台骨としてマンガを支えているのは、やっぱりアクション的なコマ作りだと思います。もっともこの時期には、アクション的なコマ作りというより、それを血肉にした衿沢世衣子ならではマンガ的呼吸のようなものに変質しているような気がしますけども。 衿沢世衣子のばあい、マンガを作るとき、これこれの話があって、頁がこれだけあるから、こんなふうにコマを割っていこう、みたいな作り方をおそらくしていないのではないかと思うわけです。というよりは、まずは活発なガールズに動いてもらう。それによって何らかのマンガ的事件が生じて、それに対してさらに活発なガールズが動きまわり、二転三転あって、当初からぼんやり思い描いていたこんなコマを描きたいという山場にのぼって、おりゃっと力業でフィニッシュする。有り体に言えば「ドタバタ」ということになるんでしょうけど、もっと力が入っているところは入っているし、抜けているところは抜けているし、「ドタバタ」よりも自然体でプリミティブな何か、強いて言うなら「ドタバタかわいい」とでもいうような何かが衿沢世衣子にはあるような気がします。 『うちのクラスの女子がヤバい』はタイトルからしてとても良く、衿沢世衣子の「ドタバタかわいい」さが全面に出ていると思います。そして、『制服ぬすまれた』これもまずタイトルがとても良い。このタイトルにこの表紙に、我が意を得たりって感じではないですかね。1ページ目をひらいてみれば、いきなり、まさにいきなりですよ、アイドルの衣装のようなフリフリの服を着ているガールがベンチにぽつんと座っている。もはや、ガールズに敢えて動いてもらわなくても、そこにガールズをぽつんと座らせておくだけで、コマがざわざわと躍動してしまう。この突拍子のなさ、これだけでこのマンガの楽しさは保障されたも同然だと思います。『制服ぬすまれた』という幾分かセンセーショナルなタイトルをアイドルのようなフリフリな衣装で軽~く飛び越えてしまう。で、行きずりの女性とフリフリの衣装で制服捜索に入るわけですけど、フリフリの衣装で校内を歩かせるだけでもうコマが躍動してしまうんですね。 あと、とっても好きなセリフがありました! 「私も 今日は自主練するつもりはなかったんです  でも なんか昨日の夜 燃えるボクサーの映画観ちゃって いてもたってもいられなくなって……」

鬼ゴロシ

昏睡から目覚めたジジイによるハードな復讐劇!!

鬼ゴロシ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まだ読んでるところ4話目だけど、かなりハードで面白い!! 街のヤクザたちぶっ倒しまくって無双していた主人公が、5人の仮面被った男たちに嫁と娘を殺され、自分の頭に銃弾ぶっ込まれて植物状態で15年刑務所にいて、出所して子分にお守りされながら飲み行ったら潰した組のやつに包丁ぶっ刺されて道端に放置されて警察に見つかって連れてかれて、運悪く近くで起きてた一家殺人事件の重要参考人として尋問されたら、刑事が自分の家族殺した仮面のやつと同じ話を始めて・・そして、15年の眠りから意識を取り戻す!!!!ここまで一話!! ここから凄絶な復讐が始まる!!!! 熱い!!熱すぎる!!!! 河部真道先生の漫画は、鎌倉末期の『バンデット』、近未来のディストピアを描いた『KILLER APE』と、それぞれ時代こそ違えど、濃くて熱い殺し合いの物語が展開されてきた。 そして今回、ついに現代! そしてこの土地では過去から鬼憑の伝説があるということで土地の背景と業も背負っている!! これからどうやって復讐していくのか、5人は一体誰なのか、ミステリー要素もありつつ楽しみすぎる~!!! 早くも実写映画化してほしい!

せいふくぬすまれた
制服ぬすまれた
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